鹿島アントラーズの9年ぶり9回目の優勝で幕を閉じたJリーグ。今シーズンも様々な名シーンやスーパーゴール、スーパーセーブなどが生まれた。ワールドカップを控える来シーズンも盛り上がることは必至だ。スポーツブルでは、今シーズンの月間ベストゴール(全9回)の中から、編集部独自の視点でベスト3を選出。読者の皆さんに紹介していく。

第3位

第3位は、8月度のベストゴールに選ばれた町田ゼルビアDF中山雄太の衝撃ミドルシュート。8月10日のヴィッセル神戸戦、前半6分に生まれた先制点だ。ロングスローのこぼれ球を胸で落ち着いてトラップすると、1バウンドさせた瞬間、左足アウトサイドで外から巻くように振り抜いた。

ドライブ気味の強烈なライナー性シュートは、ゴール右隅に吸い込まれるように突き刺さった。欧州での経験を持つ28歳のディフェンダーが放った、弾道・コースともに完璧な一撃。Jリーグ選考委員からは「美しきゴラッソ」「あんな難しいシュートをいとも簡単に決めた」と絶賛され、本人にとって今季初得点となった記念すべきゴールでもあった。

第2位

第2位は、5月度のベストゴールに選ばれたヴィッセル神戸FW宮代大聖の芸術的な一撃。5月6日のセレッソ大阪戦、前半45分のゴールだ。右からのコーナーキックをファーサイドで待ち構えた宮代は、ダイレクトボレーを打つと見せかけて、マークについた相手を巧みなトラップで完全に外す。相手が遅れて食いついてきたその一瞬を逃さず、左足を振り抜いた。ゴールネットに突き刺さったシュートは、まさに生粋のストライカーの技術と冷静な判断力が融合した一発だった。

Jリーグ選考委員会からは「芸術的ゴール」「キックフェイントでDFを完全にかわしてからのシュート。冷静な判断力・テクニック・豪快さが詰まった素晴らしいゴール」と絶賛された。2024年に川崎フロンターレから神戸へ移籍し、初年度からJ1優勝に貢献。2025年7月には日本代表にも初招集された25歳の成長著しいアタッカーが放った、完璧なゴールだった。

第1位

栄えある第1位に輝いたのは、4月度のベストゴールに選ばれたファジアーノ岡山MF田部井涼の豪快ドライブボレー。4月6日のFC東京戦、0-0で迎えた後半61分に生まれた衝撃の決勝弾だ。ペナルティエリア左角付近で相手のクリアボールを拾った田部井は、胸で落ち着いてトラップすると、ノーバウンドのまま左足を思い切り振り抜いた。ドライブ回転がかかったボールは美しい放物線を描き、ゴールキーパーの頭上を越えてゴールネットに突き刺さった。

本人も「想像以上に豪快なゴールとなって自分でも少し驚きました」と振り返るほどの圧巻の一撃。Jリーグ選考委員会からは「美しいアーチを描いた芸術的ボレー」「スピードに乗りながらの胸トラップからノーバウンドで、あの威力・あの正確なシュートを打つのは相当難易度が高い」と、美しさと技術の高さの両面で絶賛された。前橋育英高校で主将として全国高校選手権初優勝、法政大学でも主将を務めた26歳のミッドフィルダーが、J1初挑戦のシーズンで記録したJ1初ゴール。チームに勝利をもたらした、まさに栄冠にふさわしい超絶ゴラッソだった。

来シーズンはどんなスーパーゴールが生まれるのか。今から楽しみでならない。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部