第102回東京箱根間往復大学駅伝が来年1月2、3日に行われる。今大会は3連覇を目指す青学大、出雲駅伝2連覇の国学院大、全…

第102回東京箱根間往復大学駅伝が来年1月2、3日に行われる。今大会は3連覇を目指す青学大、出雲駅伝2連覇の国学院大、全日本大学駅伝覇者の駒大、さらに中大、早大の「5強」による混戦模様。優勝候補に対し、過去最高成績を塗り替えようと、「5強崩し」を虎視眈々(たんたん)と狙うダークホースもいる。帝京大、創価大、城西大の陣容と注目選手を3回にわたって紹介する。

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前回総合10位でシード権を獲得し、19年連続出場の帝京大は今季、10月の出雲駅伝8位、11月の全日本大学駅伝6位と力を伸ばしてきた。全日本5位の早大とは35秒差とやや開きがあるが、今シーズン「5強崩し」を掲げる中野孝行監督(62)の言葉通り、目標は総合5位。ダークホースの筆頭候補として呼び声高い。

「エースは11人、12人といますよ」。指揮官が独特な表現でそう語るように、主将の柴戸遼太(4年=大分東明)ら6選手が下級生時から箱根路を知る。ハーフマラソン上位10人平均では21チーム中、2位駒大に次ぐ3番手とロードレースの能力も高い。

しかし、今回は総合力の高さだけではなく、柱となるランナーもいる。

往路でカギを握るのは、チーム初の1万メートル27分台をマークした楠岡由浩(3年=慶誠)。全日本2区(11・1キロ)では、2年前に駒大のエース佐藤圭汰(4年=洛南)がマークした区間記録(31分1秒)に並ぶ快走で区間賞を獲得した。

前回は山登り5区も経験したことで、花の2区終盤の坂「戸塚の壁」への対応力も期待できる。スピード勝負なら3区も勝負できる。「自分やチームの立ち位置的にも今年は往路の主要区間を走らないといけない」。楠岡にはすでにエースの自覚が芽生えていた。

2年時から箱根路を走る島田晃希(4年=高田)も海外ハーフで優勝し、自己ベスト1時間0分56秒はチーム歴代トップを誇る。

チームの合言葉は「やるか、やるか、もっとやるか」。元々は監督の口癖と言うが、その言葉を励みに、8月は1人当たり1000キロ以上走り込むなど走力の底上げに着手してきた。

柴戸も夏場からの成長を自信に変え、最後の箱根路に挑む。「高校から強い選手がいないのが帝京大。このチームで勝ちたい気持ちは特に強くて、自分が(1年時から)1番長く走っているからこそ引っ張る人になりたい」。【泉光太郎】