第102回東京箱根間往復大学駅伝(=箱根駅伝)が来年1月2、3日に行われる。今大会は3連覇を目指す青学大、出雲駅伝2連覇…

第102回東京箱根間往復大学駅伝(=箱根駅伝)が来年1月2、3日に行われる。今大会は3連覇を目指す青学大、出雲駅伝2連覇の国学院大、全日本大学駅伝覇者の駒大、さらに中大、早大の「5強」による混戦模様。優勝候補に対し、過去最高成績を塗り替えようと、「5強崩し」を虎視眈々(たんたん)と狙うダークホースもいる。帝京大、創価大、城西大の陣容と注目選手を3回にわたって紹介する。

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6年連続シード権獲得中と強豪校の地位を固めてきた創価大は、下級生中心で総合3位以内を目指す。

10月の出雲駅伝は3位に食い込むも、11月の全日本大学駅伝は7位とシードを死守した。4年生の出場は野沢悠真(利府)と石丸惇那(出水中央)の2人だけ。それでも、出雲は全6選手が区間5位以内。全日本は全8選手が区間10位以内と安定したタスキつなぎを見せた。

しかし、「チームとしての層の厚さ、駅伝の流れを引き戻すことができず、厳しい状況を突きつけられた」。2021年の箱根で往路優勝から過去最高の総合2位に導いた榎木和貴監督(51)が求めるハードルは高い。

前回箱根2区で日本人最高記録をマークした吉田響(サンベルクス)のような絶対的エースはいない。ただ、下級生からの箱根経験者8人はプラス材料だ。全日本以降は合宿やレースを通して総合力のボトムアップに集中して取り組んだという。

レースを組み立てるのは、3年生。花の2区で起用濃厚のスティーブン・ムチーニ(ミクユニ)は経験豊富な留学生。小池莉希(佐久長聖)は7月の日本選手権5000メートル決勝を走り、スピード勝負もできる。織橋巧(中京)は出雲と全日本で区間4位と好走した。

そして、前回5区の山口翔輝(2年=大牟田)は今季の好調株。11月の世田谷246ハーフでは青学大勢や実業団の外国人選手を押さえてトップに。同月の日体大記録会1万メートルでも自己ベストをたたき出した。他校が不安要素とする「山対策」もカバーはできている。

山口自身も「エースになるために必要となる要素を重点的に鍛え上げてきたので、いい成績を残せた」と手応えを口にする。

絶対的エースやゲームチェンジャー不在は否めないが、榎木監督は「区間5位以内で戦える状況はつくれている。総合3位を目指す布陣はできている」。地位を固めてきた駅伝巧者ぶりを発揮する。【泉光太郎】