2025年もいよいよ終わりが近づきました。阪神はぶっちぎりの独走で2年ぶりのセ・リーグ制覇。球団創設90周年を最良の形で…

2025年もいよいよ終わりが近づきました。阪神はぶっちぎりの独走で2年ぶりのセ・リーグ制覇。球団創設90周年を最良の形で飾りました。名シーンも数多く生まれました。阪神の現場を見てきた担当記者が思い出のシーンをピックアップする年末企画。第4回は「驚き」編、その2です。

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◆「才木浩人がグラスノーにプリーズ!」(3月16日、対ドジャース=東京ドーム)

世界一軍団を5回1安打無失点に封じた才木。マウンド以上の衝撃? は試合後。集合写真のあとの一瞬のチャンスを狙い、ドジャースの好右腕グラスノーに接近。ボールを見せながら英語で「カーブを教えてくれ」と懇願し、見事に快諾を得た。2人が即席でカーブ談議するシーンは日米で話題になった。【波部俊之介】

◆「藤川監督が激怒 危険球を巡って広島と一触即発」(4月20日、対広島=甲子園)

8回、広島のルーキー岡本が阪神坂本の頭部に投球を当てた。阪神ベンチから藤川監督が血色を変えて猛ダッシュ。広島ベンチに怒号を飛ばした。両軍ナインが入り乱れ試合が中断。岡本は危険球退場となり、警告試合が宣告された。【柏原誠】

◆「藤川監督が新井監督と“手打ち”」(5月18日、対広島=甲子園)

両監督がメンバー交換で視線を合わせて満面の笑みで握手。場内からどよめきと笑いが起きた。4月の対戦で死球を巡り藤川監督が激高。乱闘寸前となっていた。それ以来の対戦だったが、初戦と2戦目は両監督は視線を合わさず会話もなし。「冷戦ムード」にファンもメディアも注目していたが、3戦目はそれを逆手にとるように両監督が大団円を演出した。【柏原誠】

◆「捕手と一緒にボールを追いかける打者・坂本誠志郎」(7月30日、対広島=甲子園)

誰もが「???」となった。4回2死三塁、坂本の打席で暴投があった。坂本は投球が後ろにそれたのを見ると、本塁クロスプレーの邪魔にならないよう、打席を離れてバックネット方向に素早く走っていった。ただ走った先がボールが転がった方向と同じで、広島の捕手・坂倉よりも早くボールに追いつきそうな勢い。捕手ならではの先読みが生んだ珍場面だった。【塚本光】

◆「原口文仁と青柳晃洋の記念撮影」(10月2日、対ヤクルト=甲子園)

今季最終戦で引退する原口のセレモニーが行われた。昨年まで所属したヤクルト青柳は1人残って三塁側ベンチで見守った。最後の集合写真に呼ばれた青柳は必死に拒否。原口が自ら迎えに行って、引き入れた。笑顔あふれる印象的なショットとなった。【塚本光】

◆「村上頌樹が描いた大きな放物線」(10月25日、対ソフトバンク=みずほペイペイドーム)

今年も村上と大竹が競うように「超遅球」を投げて、ファンを驚かせた。村上は日本シリーズ初戦で牧原大に59キロを投げた。結果は見逃しストライク。大舞台でも武器にするほどの精度に感服した。大竹は6月のオリックス戦で森に73キロの遅球を当ててしまい、逆に森の方が謝るという珍場面も生まれた。CSファイナルでは村上の64キロが林の体に当たり(死球)話題になった。【柏原誠】