2025年がもうすぐ終わる。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返ってみたい。 …

2025年がもうすぐ終わる。今年も様々なトピックスで熱く盛り上がった高校野球界の1年を、都道府県別に振り返ってみたい。

 茨城県では夏の大会でビッグニュースが飛び出した。4回戦で水戸啓明の中山 優人投手(3年)が水城相手に完全試合を達成した。182センチ、65キロと細身の体型ながら、最速146キロの直球などを武器に14奪三振の圧巻の快投。プロのスカウトも見守るなか、茨城大会としては1978年以来、47年ぶり2人目となる快挙を達成した。結局、次戦の準々決勝で敗れたが、中山は秋のプロ野球ドラフト会議で、ロッテから育成1位指名を受け、プロの世界へと羽ばたくことになる。

 夏の大会を制したのは明秀日立で、決勝で延長10回タイブレークを制して3年ぶりの甲子園切符をつかんだ。前年秋は8強、春は3回戦止まりと悔しい思いをしていたが、強肩捕手・野上 士耀捕手(3年)を中心に勝負の夏に見事に頂点をつかんで見せた。夏甲子園では初戦敗退に終わったが、野上はドラフト会議でオリックス7位指名を受け、プロの世界に飛び込む。

 春は常総学院が3連覇となる18回目の優勝を達成した。また、準優勝した境が37年ぶり2度目の関東大会切符をつかみ、藤代とともに県立2校が関東大会に出場した。

 秋季大会では隣接する2校、下妻一と下妻二が決勝に進出。下妻一は初、下妻二は14年ぶり4度目の関東大会出場を決めた。また、茨城が69年ぶりに4強に進む快進撃を見せた。

 県内では話題に事欠かなかった年だったが、春秋の関東大会と夏の甲子園では、茨城県勢は1勝もできなかった。来年は県外での奮闘を期待したい。