■急失…
■急失速のレイカーズに提案
ロサンゼルス・レイカーズが、調子を落としている。開幕からの20試合は15勝5敗でスタートダッシュに成功した一方で、直近の10試合は3連敗を含む5勝5敗となり、勝率は大きく右肩下がりとなった。
JJ・レディックヘッドコーチも、チームの出来に対しては苛立ちを隠せない様子だ。3連敗を喫した直後には、記者に対して「ケアが全然足りていない」と吐き捨て、「気持ちも、プロとしてあるべき姿勢も足りていない」と続け、弛んだチームに厳しい言葉で喝を入れている。
そんなレイカーズの様子を見て、ジョン・ウォール(元ワシントン・ウィザーズ)も変化が必要だと考えている。『NBA on Prime』に出演した元オールスターガードは、レイカーズにラインアップの変更を提案。そして、八村塁のスターター起用を見直すべきという大胆な見解を示している。
「俺が是非、見てみたい動きがひとつある。先発ラインアップから塁を外して、代わりにマーカス・スマートを入れることだ。彼(スマート)は相手のベストプレーヤーを守れるし、スペーシングも取れて、シュートも打てる。彼こそ今のレイカーズに必要なものだ」
■数字に現れている不調の要因
レイカーズには、ルカ・ドンチッチやレブロン・ジェームズ、オースティン・リーブスなど、ボールを手にすれば得点できるスコアラーを主役にチームを構成している一方で、ディフェンスにおけるミスの多さが度々指摘されている。
直近のゲームでは、ディフェンシブレーティングの悪化も著しい。今シーズンのレイカーズのディフェンシブレートは118.9を記録しており、これはリーグで26位という低水準にある。そして、不調に苦しむ直近の10試合では、そこからレートが125.0まで数値が落ち込んでおり、テコ入れが必要な状態であることは数字にも表れている。
ウォールは、八村の選手としての資質は評価しており、こうしたレイカーズのディフェンス不振に改善の余地があるとしている。
「塁は素晴らしいよ。目に見えない働きもしている。でも、彼は毎晩ケビン・デュラントを守ったり、相手チームのベストプレーヤーを守ったりする役目の選手ではない。それはマーカス・スマートや、ジャレッド・バンダービルトの役目だ。ああいう選手たちにはもっとプレータイムが必要だと思う。毎プレー全力でハッスルして、毎プレー必死にプレーして、ひと手間のプレーを取りにいってくれるからだ」
■“ベストシューター”八村の生かし方
こうした見解の背景には、レブロンの復帰による八村のオフェンス機能の低下もあるだろう。今シーズンの八村はアウトサイドの成功率で脅威的な数字を残しているが、レブロン復帰後はアテンプトが減少。12月に入ってからは試投数が5本を下回るゲームが、3試合も存在する。
八村のスペーシングやサイズ面は魅力的だが、ディフェンス時により才能を発揮して、チームにエナジーをもたらす選手をエースの脇に置くべきというのがウォールの見解だ。
レディックHCは、自身が高く評価するチームのベストシューターである八村をスターターに残したまま解決策を見出すのか、それともシックスマンまたはセカンドユニットの得点源として配置換えを試みるのか。
レイカーズは今、変化をもたらす大胆な決断が求められている。コーチングスタッフはカードを切り、再びチームを上昇気流に乗せるのだろうか。
文=Meiji