ベッツはシーズン中、打順変更など不振に苦しんだ(C)Getty Images ワールドシリーズ連覇を果たしたチームで苦し…

ベッツはシーズン中、打順変更など不振に苦しんだ(C)Getty Images
ワールドシリーズ連覇を果たしたチームで苦しむ時期が長かったのは、MVPトリオの1人、ムーキー・ベッツだった。
まず開幕の東京シリーズではコンディションを崩し、11キロの激やせ、この影響も長引き、球宴前後には深刻な不振に悩まされた。
不振が極まったのは7月中旬だった。現地時間7月18日のブリュワーズ戦でも4打数無安打に終わり、直近30試合の打率が.178と低迷。
この不振を受け、ベッツはとうとう、2016年から続いていたオールスター選出(コロナ禍の2020年を除く)を逃してしまう。しかし、不振の原因は体調面だけではなかった。
大谷翔平という「規格外の1番打者」の直後を打つ、2番という打順の難しさが彼を精神的に追い込んでいたことが明らかになる。
6月に配信された自身のポッドキャスト番組『On Base with Mookie Betts』の中でゲストにラーズ・ヌートバー(カージナルス)を迎えた際、「正直に言えば、難しいと感じる時はある」と本音を吐露。
相手バッテリーが1番打者の大谷との勝負を避け、歩かせてもいいという姿勢で来ることはベッツにも痛いほど伝わっていた。
「俺は彼に四球なんか選んでほしくない。思いっきりスイングして欲しい。俺は責任をもって打席に立つし、任された役割を果たそうと思ってるけど、俺も思い切り振っていった方がいいんじゃないかって思う時はある」
自分のスタイルを貫くべきか、大谷の後の状況に合わせるべきか。「どっちつかずになっている」と迷いを口にしたベッツは、さらに具体的な心理状態も明かしている。
「もちろんショウヘイがホームランや長打を打った時は一気に気が楽になる。でも、逆にショウヘイがあっさりと1、2球でアウトになると、『うわ、マジかよ』ってなるんだよね。そうなると、頭の中がぐるぐるとし始めてしまうんだ」
この状態を受け、デーブ・ロバーツ監督も決断。現地時間7月20日のブルワーズ戦で打順のテコ入れに踏み切った。不振に苦しむベッツを1番に起用、大谷を2番としたのだ。
結局、25年シーズンは150試合に出場、打率.258、20本塁打、82打点をマーク。打率はメジャーデビューした14年以降でワーストとなった。
来春に行われるWBCも夫人の出産のため、欠場をすでに表明した。新たな家族が加わる26年シーズン、ベッツが輝きを取り戻すか。引き続き、注目の存在となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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