2025年の高校野球は大きな盛り上がりを見せた。今年行われた高校野球の公式戦全試合の結果を配信してきた『高校野球ドットコ…

2025年の高校野球は大きな盛り上がりを見せた。今年行われた高校野球の公式戦全試合の結果を配信してきた『高校野球ドットコム』には「学校紹介ページ」があるが、閲覧数が多かった学校はどこだったのだろう。ランキング形式で20校紹介したい。

20位から11位 復活した名門や快進撃を見せた新鋭たち

20位 山梨学院(山梨)

今年の山梨学院は県勢では史上初となるセンバツ、夏の甲子園、国スポ、明治神宮の4大大会出場を成し遂げた。超大型二刀流・菰田陽生投手は来季のドラフトの目玉として注目されている。菰田のラストイヤーとなる26年、全国制覇を成し遂げることができるのか。

19位 法政二(神奈川)

この夏、桐蔭学園などを破ってベスト16入り。秋も県大会準決勝で立花学園を3対2で破り、33年ぶりの関東大会出場を決めた。名門復活を印象付けた法政二の戦いぶりに注目が集まった。

18位 東海大相模(神奈川)

昨夏甲子園ベスト8を経験した主力選手たちが残り、再び聖地に戻ることが期待されたが、昨秋、春、夏とすべて横浜の前に阻まれた。横浜vs東海大相模の黄金カードが実現するたびにこれまでの戦いぶりを調べるユーザーが急増した。

17位 専大松戸(千葉)

選抜王者・横浜に唯一、2連勝を収めた専大松戸。春の関東大会では横浜の連勝を止めて、秋の関東大会ではセンバツがかかった準々決勝でも競り勝った。名将・持丸修一監督の元、したたかな戦いを見せる専大松戸の人気が大きく高まっている。

16位 聖隷クリストファー(静岡)

この夏は超高校級左腕・高部 陸投手の快投もあり、初の甲子園出場。3年前、まさかのセンバツ選考漏れの悔しさを乗り越えた。甲子園でも1勝を挙げ、2回戦でも西日本短大付に接戦を演じ、認知度が大きく上がった1年となった。

15位 県岐阜商(岐阜)

この夏は日大山形、東海大熊本星翔、明豊、横浜と私学4校を破って16年ぶりのベスト4の快進撃を見せた。また生まれつき左手の指がないハンディを持つ横山温大外野手が岐阜大会で打率5割の活躍。甲子園では5試合で5安打3打点を記録し、横浜戦で先制点を防ぐ大ファインプレーも見せるなど、夏の甲子園の主役となった。全体では15位だが、甲子園期間中では最も閲覧数が多い学校だった。

14位 広陵(広島)

広陵は不本意にもグラウンド外で全国の話題をさらってしまった。この夏の甲子園では部内での暴力行為の事案をめぐって、SNSなどで誹謗(ひぼう)中傷が拡散されていることを理由に、大会の出場を辞退した。大会途中に不祥事で辞退したのは史上初の事例となった。

13位 九州国際大付(福岡)

明治神宮大会で初優勝。プロ注目スラッガー・牟禮翔外野手、巨漢スラッガー・上岡 煌内野手など個性的な選手の登場で、明治神宮大会中の閲覧数はダントツでトップだった。センバツでも躍進が期待される九州国際大付は26年の主役になることができるか。

12位 日大三(東京)

西東京大会では前評判が高かった東海大菅生を下し、2年ぶりの甲子園出場。初戦で初出場の豊橋中央を下して、14年ぶりの決勝進出を果たした。

11位 豊橋中央(愛知)

この夏は愛工大名電、東邦と愛知私学3強のうち2校を下して、初の甲子園へ。高橋大喜地投手、松井捕手という幼馴染バッテリーが強豪校を下して甲子園を決めるというストーリーがファンの胸を打った。

10位−1位 夏の快進撃で去年まで無名の学校が強豪校を追い抜きベスト10に!

10位 関東第一(東京)

この夏はノーシードから東東京の頂点に立ち、さらに中越、創成館を破って2年連続の甲子園ベスト8入りを決めた。秋も都大会準優勝を収め、結果を残し続けている。

9位 健大高崎(群馬)

今年はセンバツベスト4に進出。剛腕・石垣 元気、トミー・ジョン手術から復活した佐藤 龍月の両投手のラストサマーということで大きく注目を集めた。2人がいる3年間で、センバツ優勝を含め、4度の甲子園出場を達成し、全国屈指の名門へ成長した。

8位 仙台育英(宮城)

タレント揃いの面々で、大きく注目を浴びた仙台育英は、甲子園ではプロ注目左腕・吉川 陽大投手、大型スラッガー・スーパー1年生の砂 涼人内野手、有本豪琉内野手の二遊間コンビが活躍した。センバツ出場は厳しいが、夏の躍進に期待がかかる。

7位 東洋大姫路(兵庫)

22年4月に就任した岡田龍生監督が手塩をかけて育ててきた選手たちが今年、最終学年を迎え、春季近畿大会優勝、夏の甲子園ベスト8と盤石の強さを見せ、久々の全国での躍進となった。

6位 沖縄尚学(沖縄)

夏は仙台育英、山梨学院など強豪校を次々と撃破し、夏の甲子園初優勝を決めた。沖縄で開催されたU-18ワールドカップ期間中、沖縄の高校野球部員に話を聞くと、練習を休みにして決勝戦を見た選手が多く、刺激を受けたという。秋以降は一戦ごとの勝敗に注目が集まった。神宮大会枠でのセンバツ出場が決まれば、沖尚フィーバーはまだ続きそうだ。

5位 幸福の科学学園(栃木)

今回、紹介する中で唯一、甲子園どころか、秋春の地方大会出場もない幸福の科学学園がランクインした。同校が大きく知名度を高めるきっかけとなったのは、2人の留学生の存在だ。元中日のドミンゴ投手を父に持つエミール・セラーノ・プレンサ外野手、ユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス捕手は、プロ注目選手としてリストアップされ、特にエミールは夏の大会で2本塁打を放ち、自慢の打撃が大爆発。10月のドラフトではソフトバンクから育成指名を受け、プロ野球選手が誕生した。さらに秋は部員10人で県大会ベスト4と、大きく躍進した1年だった。

4位 大阪桐蔭(大阪)

今年は19年以来、6年ぶりに甲子園出場がなかった1年になった。それでも存在感は抜群。夏はあと一歩で甲子園を逃したが、エースの中野 大虎投手がU-18代表に選ばれ、剛腕・森 陽樹投手はオリックスから2位指名を受けた。来春、センバツ出場が有力となっており、今年以上の注目度を集める1年になりそうだ。

3位 中京大中京(愛知)

この夏、甲子園こそ逃したが、秋は粘り強い戦いで東海大会優勝を決め、5年ぶりのセンバツへ前進した。全国屈指の名門だけあってファンは多い。夏だけではなく、どの大会も関心が高い。こうした積み重ねにより、3位にランクインとなった。

2位 叡明(埼玉)

この夏の埼玉大会は浦和学院、花咲徳栄が5回戦まで残らない波乱含み。そんな埼玉を制したのは叡明だった。決勝戦では櫻井ユウヤ内野手擁する昌平を下して、初の甲子園出場を決めた。これには「叡明とはどんな学校?」と検索する読者が急増し、7月には最も検索された学校となった。甲子園でも津田学園相手に熱戦を演じ、再び注目度が上がった。来年も埼玉の優勝争いを繰り広げることができるか。

1位 横浜(神奈川)

センバツ優勝、夏の甲子園ベスト8の横浜が今年の1位となった。「横浜一強時代」をスローガンに、連勝を重ねる横浜ナインを追うファンは日増しに増えていった。特に夏はドラマチックな戦いが多かった。神奈川大会準々決勝では平塚学園相手に9回二死までリードを許していたが、阿部葉太外野手の逆転サヨナラ打。夏の甲子園では準々決勝で県岐阜商に延長11回に及ぶ熱戦は高校野球史に語り継がれる名ゲームとなった。さらに同校から4選手がU-18代表に選出され、秋季関東大会では準々決勝で専大松戸に敗れたが、最後まで高い注目度のまま1年を終えた。154キロ右腕・織田翔希投手のラストイヤーとなる26年も見逃せない。

 来年はどの学校がトレンドに乗るのか楽しみだ。