ブレーブス戦でも圧巻の投球を見せつけた山本。その内容が大きな反響を生んだ(C)Getty Images 2025年シーズ…

ブレーブス戦でも圧巻の投球を見せつけた山本。その内容が大きな反響を生んだ(C)Getty Images
2025年シーズンを改めて振り返ると、山本由伸の投球は一つの結論に行き着く。なぜ打てなかったのかではなく、打てる理由を探す方が難しい投手だったという事実だ。数字は静かに、しかし雄弁に語る。防御率0点台、圧倒的な被打率と奪三振率――巨額契約の理由は結果として明確に可視化された。
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今季のドジャースにおいて、山本由伸の存在感は終始揺るがなかった。メジャー2年目に入った日本人右腕は、環境への適応を遂げ、開幕からシーズン終了まで“打てない投手”としてリーグに君臨した。
象徴的な試合のひとつとなったのが、現地時間5月2日のブレーブス戦だろう。強力打線を相手に、山本は6回(91球)で被安打1、無失点。6回二死までノーヒットに抑え込む内容で、2–1の勝利を引き寄せた。
最高スピン量2923回転のカーブと、回転数を抑えたスプリットの落差。平均95マイル台半ばのフォーシーム。正確無比なコマンドを駆使して、両軍最多となる17の空振りを奪った。当時の防御率はメジャー全体トップの0.90。被打率.171、奪三振率11.03という圧巻の指標だ。偶然でも勢いでもない。メジャー球、マウンド、スケジュール、そのすべてに順応した上で、持ち味である制球力と投球術を引き上げた帰結である。
米全国紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール記者は春先から、「ドジャースが3億2500万ドルを支払った理由を、ヨシノブ・ヤマモトは示している」と評していた。結果として、この見立ては誇張ではなかったわけだ。
2023年オフ、ポスティングを経て投手史上最高額の契約でドジャース入りを決断した山本。賛否を呼んだその契約は、いまでは“適正以上”という評価すら聞こえる。終わってみれば、日本人エースの2025年は、数字も内容も、期待を上回るシーズンであったと言えるだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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