今春、『高校野球ドットコム』では「スーパー中学生」と題し、将来有望な球児を紹介した。彼らの中からは、高校1年生の秋が終わ…
今春、『高校野球ドットコム』では「スーパー中学生」と題し、将来有望な球児を紹介した。彼らの中からは、高校1年生の秋が終わった段階で早くも全国制覇を経験するなど、頭角を現す選手もいた。そんな中学時代に取り上げた選手たちの2025年の活躍を振り返る。
いち早く主力として全国優勝経験したのは九州国際大付の岩見 輝晟投手(ヤング志免レッドスピリッツ)だ。夏に公式戦デビューを果たすと、187センチから投げ下ろす真っすぐに切れ味鋭いスライダーを武器に活躍。秋は左腕エースとして福岡大会、その後の九州大会優勝に導くと、明治神宮大会でも初戦の山梨学院戦で8回途中3失点、決勝戦でも9回途中を1失点に抑える好投で日本一を経験した。野手でも吉田 秀成内野手(日豊ボーイズ)が巧みなバットコントロールに軽快な守備で「3番・ショート」のレギュラーを掴んだ。明治神宮大会でも3試合全てで安打、打点を記録して打線の中核を担った。出場当確となっている来春の選抜大会でも、注目の新2年生コンビとなりそうだ。
夏の甲子園で鮮烈デビューを飾ったのは明豊の川口 琥太郎内野手(ヤング志免レッドスピリッツ)。初戦の市船橋では2安打を放ち、聖地初安打初打点をマーク。続く佐賀北戦でも2安打、県岐阜商には敗れたが3安打と非凡な打撃で存在感を示した。同じく仙台育英で春からベンチ入りしていた倉方 湊都捕手(松戸中央ボーイズ)が初戦の鳥取城北戦で聖地デビューを飾った。同じく松戸中央ボーイズの福井 勇翔投手も秋からベンチ入りを果たし、宮城県大会準々決勝の東北学院戦で7回無失点の好投を見せるなど優勝に貢献している。
他にも中本牧シニア時代に日本一を経験した横浜の小林 鉄三郎投手は、選抜大会を制したチームで春から公式戦のマウンドを踏んだ。夏も神奈川大会初戦を任され、4回7奪三振無失点に抑えて期待に応えている。夏の甲子園では登板機会はなかったが、選抜出場が決まれば全国デビューの期待も高まる。
小林とともに全国制覇に貢献した鈴木 陽仁投手(桐光学園)と小田倉 優真内野手(同)は揃って桐光学園に進むと、夏からメンバーに入り、神奈川大会16強入りに貢献した。秋も鈴木はリリーフで活躍し、小田倉も「1番・セカンド」としてリードオフマンとして8強進出を果たすなど、公式戦の経験を積んでいる。
近畿地区でセンバツ当確を決めている大阪桐蔭でも、昨年のU-15日本代表に選出された190センチの大型左腕・川本 晴大投手(東京城南ボーイズ)が秋から登板機会を増やし、頭角現した。秋季近畿大会では1回戦の市立和歌山戦、準々決勝の天理戦で先発を任されると2試合計12回で1失点に抑え、2年ぶりとなる春の甲子園出場当確に貢献している。
野手でも川本と同じくU-15日本代表の中島 齊志内野手(飯塚ボーイズ)もショートでスタメン入り。西武で活躍する中村 剛也内野手の長男・中村 勇斗内野手(世田谷西シニア)も秋に公式戦初出場を果たし、甲子園デビューとなれば話題を呼びそうだ。
4月に取り上げた選手の他にも、横浜の川上 慧内野手(明石ボーイズ)は夏の甲子園でヒットを記録。今秋の関東大会では初戦でサヨナラ弾を含む2本塁打で勝利に導いている。他にも仙台育英の砂 涼人内野手(洋野リトルシニア)、セカンドの有本 豪琉内野手(兵庫夢前ヤング)の二遊間コンビが好守備で会場を沸かせた。世代を牽引する選手たちの活躍から目が離せない。