今年1年間、『高校野球ドットコム』では多くの中学野球の現場を訪れ、たくさんの球児たちを取材してきた。その中で、数年後の高…

今年1年間、『高校野球ドットコム』では多くの中学野球の現場を訪れ、たくさんの球児たちを取材してきた。その中で、数年後の高校野球の主役になる可能性を秘めた「次代を担う球児」たちにインタビューを敢行。第3回は、星稜中の服部成投手だ。

 千賀 滉大(蒲郡出身)、菅野 智之(東海大相模出身)、佐々木 朗希(大船渡出身)と、中学軟式野球から世界へと羽ばたいていった投手は多くいるが、また1人楽しみな選手が来春から高校野球の世界に飛び込む。

 星稜中の服部 成投手だ。中学軟式界の強豪である星稜中でエースとして活躍し、春には全国制覇を達成。夏は惜しくも全国大会準優勝だったが、その実力は中学軟式関係者はもちろん、高校野球でも知らない人は少ないだろう。

 175センチ、82キロの恵まれた体格からストレートは最速148キロ。打っても中学通算25本塁打を記録。まさに今年の中学軟式界を代表する逸材として、主に1番・ピッチャーで出場し続けてきた。

 投打ともに指揮官からの信頼が高いからこその起用法。一見するとどちらも大事な役割を任され、苦労が多いようにも感じるが、「自分たちの代になってから、ずっと1番で起用してもらっている」と本人はそれほど感じていない様子。むしろこの起用法に喜びすら感じていた。

 「自分は1秒でも長くグラウンドに立っていたいですし、去年から出ていて信頼があるから、この形での起用だと思います。なので嬉しいですし、打席で勝負を避けられても出塁できるのでラッキーだと思っています」

 グラウンドでプレーすることが、一番の喜びだという服部。高校野球でも同じように活躍したいだろうが、そう簡単にいかない。まだ成長途中ゆえに「高校になれば1試合9回になるので、体力をつけないといけない」とフィジカル面には課題を感じている。

 また高校からは硬式球に変わる。現在課題に感じている制球力克服のためにも、やるべきことは既に明確にしている。

 「普段から取り組むキャッチボールでしっかりとフォームを意識することはもちろん、相手の胸に投げること。そしてライナー性の強いボールを投げること。そうすれば球速や制球力、そして伸びるストレートも投げることが出来ると思います」

 軽く投げても威力がある。見た目以上に圧力があるボールを投げたい。そんな理想を胸に秘めながら、高校野球への準備を続けている。

 「最終的にはプロ、メジャーに行きたい」という大きな目標を立てた服部。まずは高校野球の舞台で、投打にわたる活躍を見せられるか。近い将来、全国の舞台で服部の姿を見られることを期待したい。