NHKは28日、「NHKスペシャル メジャーリーガー大谷翔平 2025」を放送。番組ではドジャースの大谷翔平投手(31)…

NHKは28日、「NHKスペシャル メジャーリーガー大谷翔平 2025」を放送。番組ではドジャースの大谷翔平投手(31)が、二刀流を再開したメジャー8年目の今季を振り返った。

今年2月から二刀流復帰に向けて動き出した大谷は、投手不足のチーム事情もあり、予定より1カ月早めた6月に663日ぶりに投手としてマウンドに立った。復帰戦でいきなり最速100マイル(約161キロ)を計測。さらに復帰3戦目では、メジャー自己最速となる101・1マイル(約163・6キロ)をマークした。

当時を「ちょっと上げすぎだなっていうか。本来は95~96マイルくらいで最初の5試合ぐらいをいいクオリティーで投げられればいいんじゃないかなとは思っていた」と回顧。想像以上に球速が出てしまったことを認めつつ、「高いパフォーマンスが出やすい環境だとは思う」と、異例のリハビリ期間を実戦でこなしていく難しさを理解していた。またチームドクターからは「球速を見ないように」と指示があったことも明かし、大谷は意識しながら投球に臨んだという。それでも「上げないようにしていたんですけど、勝手に上がっていく感覚だったので」と振り返った。

番組では、投手大谷が100マイルの速球で打者から三振を奪う映像が流れた。なおも厳しい表情でベンチへ戻るシーンが映し出された。160キロ超えの速球はケガリスクが高いと言われる。そんななかで、大谷は全力投球を貫いた。「自分が思いきりパフォーマンスを出せる感覚がないと、うまくもなれないし、自分が納得しないので。ごまかしながら投げていたとしても面白くないんだろうな」と語り、続けて「僕のスタイル的には1つの武器ですし、そこで成り立っているっていうところもあるので」と速球を諦めない姿勢を強調した。

大谷は、打者としての視点も理解している分、球速の重要性を強く認識している。「打席に立っていて、やっぱり94~95マイルと100マイルは対応の仕方として、2ランク、3ランクも違うものなので」と説明。球速によって打者の対応が大きく変わる難しさを踏まえた上で、自らの信念を改めて語った。

こうして大谷は、ケガのリスクを抱えながらも全力で二刀流を貫き、復帰シーズンを通して自身の信念を示した。