<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 3>いよいよ新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム …
<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 3>
いよいよ新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」(26年1月4日、東京ドーム)の開催が迫ってきた。プロレス界をけん引してきた“エース”棚橋弘至(49)はどのようにその日を迎えるのか。本人や関係者の証言をもとに、棚橋というプロレスラーの生きざまを振り返る。
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棚橋の引退試合の相手は、何度も死闘を繰り広げてきたオカダ・カズチカ(AEW)に決まった。シングルでの対戦成績はオカダの9勝5敗3分けで、直近4試合はすべてオカダが勝っている。しかも棚橋のコンディションは全盛期のものではない。
それでも棚橋は「やっぱり東京ドームのリングに立つと、細胞の記憶がよみがえるというか。その沸き立つ自分に期待してて。ひょっとしたら、ものすごい良い動きをするかもしれないし。アニメのヒーローじゃないですけど、そういうのを僕はイメージしてますね」と自分に期待する。
凱旋(がいせん)帰国したばかりのオカダに12年2月の大阪大会で敗れ、IWGPヘビー級のベルトを奪われた「レインメーカーショック」の傷は癒えていないという。一方で「でも、そこでオカダっていうスターが生まれたので」という気持ちもある。「僕は何回も踏み台になってます。オカダに引導を渡されて、内藤(哲也)に引導を渡されて、上村(優也)に渡されて、海野(翔太)に渡されて、辻(陽太)に渡されて。でも本来、世代交代をしてから引退するっていうのがトップ選手の真の務めだと思うので」と、納得の表情を浮かべた。
ただ、どんなに引導を渡されようとファイトスタイルだけは変えるつもりはない。数え切れないほど飛んできたハイフライフローで膝がボロボロになってもだ。「例えばご飯を食べに行って、そこの名店の名物料理って食いたいじゃないですか。それと同じで新日本に行ったら棚橋のハイフライを見るんだ、みたいな。看板を守ったという感じですね」と説明する。
そして「昔、何かで言いましたね『飛ばない棚橋はただのイケメンだ』って(笑い)。映画『紅の豚』の『飛ばねぇ豚はただの豚だ』のオマージュで。豚は飛ばないと1歩下がる感じなんですけど、僕は『飛ばない棚橋はただのイケメンだ』って、そこでもグッと前に出るという(笑い)」と話す棚橋は、やはりどこまで行っても“エース”であり“逸材”だった。【千葉修宏】
◆棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年(昭51)11月13日生まれ、岐阜・大垣市出身。大垣西高では野球部、立命館大ではプロレス同好会に所属。学生時代からプロレスラーを志し、3度目の入門テストで合格した後、大学卒業後の99年4月に新日本プロレス入門。同年10月にデビューした。06年にIWGPヘビー級王座初戴冠。09年、11年、14年、18年にプロレス大賞MVPを獲得するなどエースとして団体をけん引した。19年にはIWGPヘビー級王座最多戴冠記録(8回)を樹立。23年末に選手兼任で社長に就任した。181センチ、101キロ。