◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル、良) 第70回有馬記念・G1(28日、中山)は単…
◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル、良)
第70回有馬記念・G1(28日、中山)は単勝3番人気の3歳牡馬ミュージアムマイルが差し切り、皐月賞に続くG1・2勝目を飾った。クリスチャン・デムーロ騎手(33)=イタリア出身、フランス拠点=は7度目の騎乗で初勝利。牝馬で初の連覇を狙ったレガレイラ(ルメール)は差し届かず4着に終わった。
歴戦の古馬たちをなで切りにした。ミュージアムマイルは4角を11番手で回ると、最後の直線では大外から放たれた矢のように伸びた。坂上でダノンデサイルをかわし、粘り込みを図るコスモキュランダも抜き去った。ゴールの瞬間、有馬記念初勝利となったCデムーロは右手を高々と上げ、喜びを爆発させた。「ダノンの前でコスモがいい手応えだった。かわせるかと思ったが、いい脚を使ってくれた」と鞍上は振り返った。
馬から下りると、いとおしそうにパートナーの鼻を何度もなでた。「ドリームカムズトゥルー! 昨年は悔しかったけど、それを晴らせて良かった」。シャフリヤールで鼻差2着に泣いた昨年のリベンジにも成功した。
11月の短期免許取得から、2か月で37勝を挙げた名手の腕が光った。「レース前のプランはなかった」と明かしたが、スタートしてすぐ、「強敵と思っていた」というダノンデサイルの背後を取った。4角まで離れずについていき、スムーズに外に持ち出すとフルスロットルで末脚を引き出した。
今年は拠点とするフランスで初の年間リーディングジョッキーを獲得し、充実の一年となった。Cデムーロは「『ザ・ロイヤルファミリー』を見て、有馬記念を勝ちたいと思ったので、すごくうれしかった。ビューティフルイヤー!」と満面の笑み。10年にヴィクトワールピサで有馬記念を制した兄のMデムーロに続く兄弟V。「(ミルコは)第二のお父さんみたいな存在です」とはにかんだ。
管理する高柳大調教師も「本当に力が入りました。心臓がドキドキ鳴りました」と興奮を隠せない。皐月賞に続き、2つめのG1をゲット。昨年の朝日杯FS2着から、一年で大きな飛躍を遂げた。「去年から成長し続けている。まだ伸びしろもあると思います」と充実ぶりに感激した。
26年の4歳シーズンは、さらなる活躍が期待される。指揮官は「真っ白です」と今後について言及はしなかったが、選択肢が増えたのは確か。天皇賞・秋では同じ22年生まれのマスカレードボールがV。年が明けると4歳になるハイレベル世代が、うま年の2026年を引っ張っていく。(山下 優)
◆ミュージアムマイル 父リオンディーズ、母ミュージアムヒル(父ハーツクライ)。栗東・高柳大輔厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算10戦5勝。総獲得賞金は9億6179万9000円。主な勝ち鞍は皐月賞・G1、セントライト記念・G2(ともに25年)。馬主は(有)サンデーレーシング。