ソフトバンクが本拠地みずほペイペイドームの室内練習場に「トラジェクトアーク」の2台目を設置することが28日、分かった。対…

ソフトバンクが本拠地みずほペイペイドームの室内練習場に「トラジェクトアーク」の2台目を設置することが28日、分かった。対戦投手の映像を流し、球種、球速、ボールの回転数などを正確に再現する最新鋭のバーチャルマシンで、1軍では25年の開幕前に初導入した。大ブレークした野村勇内野手(29)や主力の周東佑京内野手(29)も活用して5年ぶり日本一に貢献。“補強”で福岡移転後初のリーグ3連覇につなげる。

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本拠地みずほペイペイドームに最新鋭打撃マシンの2台目が導入される。「トラジェクトアーク」は26年開幕前までに室内練習場に増設される予定。リーグ2連覇と5年ぶり日本一の原動力にもなった球団自慢のマシンで3連覇と2年連続日本一を狙う。

「トラジェクトアーク」は対戦投手の映像を流し、球種、球速、ボールの回転数などを正確に再現するバーチャルマシン。他球団の投手対策を本拠地で事前に練ることができるメリットがある。例えば、日本ハム3連戦の先発予定投手のデータを入力しておけば、球筋などのイメージを持った状態で試合に臨むことが可能になる。普段は対戦が少ないセ球団との交流戦、日本シリーズでもフル活用できる。1軍では今年の開幕前に初導入し、福岡・筑後市のファーム施設にも1台設置済み。NPB他球団では楽天と巨人が導入しており、今季のセ・リーグ王者阪神も来年から導入する見込みだ。ドジャースで活躍する大谷翔平投手(31)も愛用している。

打率2割7分1厘、12本塁打、40打点と今季大ブレークした野村は試合後に「トラジェクトアーク」を使った打撃練習を習慣化。シーズン序盤は約3週間の打席ブランクがあっても4打数2安打だった日に「トラジェクトでいっぱい打っていたので、そんなに(球が)速く感じなかった」と効果を語っていた。故障で終盤に欠場があった周東は「トラジェクトなどいろいろやって感覚をつかみたい」と話していた。選手間でも人気で、複数選手が同時に打ち込みできるように“補強”を成功させた。

導入にかかる費用は、1台あたり1億円とも言われる。「投高打低」の時代だが、豊富な資金力を持つソフトバンクは潮流に抗う。世界一のチームを目指すソフトバンクらしく、最先端技術を駆使する姿勢を貫く。