全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)が熱戦を繰り広げる中、惜しくも敗れた東北のチームを振り返る。5年ぶり出…
全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)が熱戦を繰り広げる中、惜しくも敗れた東北のチームを振り返る。5年ぶり出場の東北学院(宮城)は初戦敗退も、就任3年目の加藤真監督と初の全国の舞台を経験した。女子では福島東稜がセンターコートの夢破れるも5度目の正直で勝利をつかみ、2勝を挙げた。聖和学園(宮城)は2年生高田ツインズの妹・高田莉菜が来年のリベンジを誓った。【取材・構成 高橋香奈】
◇ ◇ ◇
5年ぶりの出場も、白星には届かなかった。1回戦の東海大相模(神奈川)戦。相手とのフィジカルの差を感じながらも必死に食らいついた。74-85の第4クオーター残り2分31秒、エース佐々木が無念のファウルアウト。それでも「エースがいなくなって終わるチームじゃない」。キャプテン・小山龍人(3年)は4本の3点シュートを沈めるなど意地の猛追。「最後のシュートは自分の力じゃなくてみんなが後押ししてくれました」。最終的に86-95で敗れたが、一丸で最後まで諦めずに戦い抜いた。
2年前に加藤真監督が就任してから初の全国大会進出。小山は「加藤先生の指導は、1回戦で敗退するようなレベルじゃない。(自分たちの)力不足が顕著に出てしまいました」と唇をかんだ。それでも、東北学院で培ったバスケット生活で「(加藤先生は)自分を律する。自分で考えて行動をするというところを、バスケットをする以前の日常生活の所から指導してくれました」と感謝する。それに応えるチームが確かにできあがった。
東海大相模戦も16点劣勢で入ったハーフタイム。「このまま終わったら悔いが残る。自分たちは何をすべきか」。選手自らが互いを奮いたたせ、第3Qには、一時2点差まで詰めよった。これには加藤監督も「自分たちでコミュニケーションをとって立て直す。彼らが3年間でそういう力を付けてきた証拠だと思います」と成長を感じ取った。
就任3年目の加藤監督にとって、現3年生は3年間通して指導した代として「同期のような存在」と思い入れが強い。「これまでの伝統を継ぎながら、さらに新しいベースを作るというのが今の3年生の役割と言ってきた中で、最後の冬にそれを証明してくれた。1、2年生にはそれを継承していってほしい」。悔しい経験を糧に、東北学院が進化を続ける。