正確無比な左ジャブや強打の打ち分けで相手は鼻から出血。前回の判定負けを払拭する元王者カシメロの“戦いぶり”、圧倒的な完…

 正確無比な左ジャブや強打の打ち分けで相手は鼻から出血。前回の判定負けを払拭する元王者カシメロの“戦いぶり”、圧倒的な完全粉砕ぶりに「もう止めろ」「壊されてしまう」とファンが騒然。さらに強烈な右ストレートを叩き込んだ際には「大丈夫か?」と相手を心配する余裕を見せるなど、まさに独壇場となった。

【映像】カシメロ、思わず「大丈夫か?」な右ストレート炸裂の瞬間

 12月27日、愛知県国際展示場で開催された「SAIKOU×LUSH vol.4」。ジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)と溝越斗夢(LUSH)の対戦は、カシメロが5ラウンド1分10秒にTKO勝利。圧倒的なパワーで溝越を攻め立て、10月の亀田京之介戦での判定負けから再起を果たした。

 カシメロは元世界3階級制覇王者で、IBFライトフライ級・フライ級、WBOバンタム級を制覇した実力者。10月の亀田戦では相手のアウトボクシングに圧倒され判定負け。調整不足など様々な憶測を呼んだが、今回は言い訳の効かない再起戦となる。対する溝越は2017年プロデビューの26歳で、第3代日本スーパーバンタム級ユース王者などの経歴を持つ。

 1ラウンド、ゴングとともにカシメロが力強い左右フックを強振し、積極的に攻め込む。溝越も慎重にガードを固めながらカウンター狙い。単発のジャブを返すが浅く、カシメロが上回る立ち上がり。2ラウンドは、カシメロの強烈なボディと強いプレッシャーに対して、溝越も右カウンターをヒットさせ一瞬後退させる。しかしカシメロはすぐに反撃。終盤の強烈なジャブの連打で溝越が鼻から出血。わずか数発でのダメージにファンから「カシメロのパンチ強い」「ジャブは的確だな…」の声。

 その後、元王者がさらに真価を発揮し始める。3ラウンドになるとその差は歴然。カシメロがジャブと左フック、右ストレート、右アッパー、フックを効果的に当てると溝越は防戦一方。序盤のようにジャブで反撃する場面も見せるが、カシメロの上下の打ち分けと重い攻撃に溝越が何とか凌ぐ展開が続く。

 4ラウンド、カシメロはゆったりとしたペースで着実に一撃狙い。残り20秒では強烈な右ストレートがクリーンヒットし、グラつく溝越に「お前大丈夫か?」と声を掛ける余裕を見せるなど、ペースを完全に掌握。まさかの展開に放送席も「大丈夫か?って…スパーリングじゃないんだから」と呆れ顔。カシメロの言動について、改めてラウンド間のインターバル中に「それぐらい手ごたえがあった」上での大丈夫?という確認であったのではという指摘も聞かれた中、溝越のセコンドからは「ダメージは?戦える?」と心配の声も。

 そうして迎えた5ラウンド、序盤の猛打で溝越がスリップ。ダメージの蓄積は明らかで、「やばめのスリップ」「壊されてしまう」「止めた方がいいかも」との声も上がるなか、足元が明らかに鈍り始めた溝越に対し、カシメロが右ボディから右フック、左フックまで連打をまとめる。

 足の力が抜け、後退しながら尻もちをつくようにダウンする様子にファンが反応。「おわり」「もう立つなって」「止めろ」の声。立ち上がった溝越はグローブを振りながら復調をアピールするが、ここでレフェリーが続行不可能を判断し試合をストップした。

 まだ溝越は戦う意思を示したが強制終了。このレフェリー判断に「妥当」「よく止めたよ」「止めて正解」や「(カシメロの)左強ええ~」「さすがにパワーがあるな」の声。圧倒的な強さを示したカシメロは「次はルイス・ネリとやるぞ」と当初よりターゲットにしてきたネリを指名した。