中央競馬の1年を締めくくる大一番。コーナーを6回まわる中山競馬場芝2500mコースを舞台に、これまで多くの名勝負が生…

 中央競馬の1年を締めくくる大一番。コーナーを6回まわる中山競馬場芝2500mコースを舞台に、これまで多くの名勝負が生まれてきた。定量戦で行われるGI競走とはいえ、過去10年間で1番人気馬は[5-1-0-4]。昨年は5番人気のレガレイラが勝利し、10番人気シャフリヤールが2着。一昨年は2番人気ドウデュースが勝って7番人気スターズオンアースが2着。22年は1番人気イクイノックスが勝利したものの6番人気ボルドグフーシュが2着と、やや波乱傾向だ。

 ◎ダノンデサイルは昨年のダービー馬。その後、菊花賞は道中でポジションを下げざるを得ないような形になって初めて掲示板を外す結果となり、昨年の有馬記念は意表を突く逃げ戦法で3着。今年はAJCCに勝ったあとドバイSCに優勝、英インターナショナルSは結果を出せなかったが、前走のジャパンCは欧州からの帰国初戦という状況で3着まで追い上げた。どちらかと言えば広いコースに向きそうだが、中山競馬場は京成杯に勝っているコース。大きく評価を下げる必要もないだろう。

 〇シンエンペラーは昨年のジャパンC2着。2歳時には京都2歳Sに勝ってホープフルS2着。日本ダービーも3着で、遠征した愛チャンピオンSも3着だった。今シーズンはサウジアラビアのネオムターフCに勝ったあとドバイ、欧州遠征を敢行。前走のジャパンCは帰国初戦。外枠からポジションを取りに行ったが、向正面でカラ馬に前をカットされるようにして位置取りを下げざるを得ない不利もあった。目標としていた凱旋門賞を回避せざるを得なかったのは残念だが、改めて期待したい。

 ▲レガレイラは昨年の優勝馬。宝塚記念は休み明けに加えて大外枠、馬場状態にも恵まれず持ち味を生かせなかったが、秋はオールカマー、エリザベス女王杯を連勝している。中山競馬場は2つの牡馬混合GI競走含め[3-0-0-1]。1番人気で負けた皐月賞を含め、その4戦すべてで最速、または最速タイの上がりタイムを記録しているのだから中山競馬場のコース形態はあっているのだろう。勝てば史上初の牝馬による有馬記念連覇と年度代表馬のタイトルが見えてくる1戦だ。

 △メイショウタバルは宝塚記念優勝馬。3歳時には毎日杯、神戸新聞杯に勝っているくらいだから能力は疑いようがないが[5-0-0-7]の戦績が示すとおりに勝つときの鮮やかさと、負ける時の潔さが魅力でもある。タフな流れが予想される1戦で武騎手の手綱さばきにも注目だ。

 中山競馬場で重賞2勝の△ミュージアムマイル、菊花賞3着ののち目黒記念に勝った△アドマイヤテラと、最後に日経賞のレースぶりが印象に残る△マイネルエンペラー。休み明けとはいえ侮れない力の持ち主だ。