DeNAジュニアの増田莉夢選手が2試合連続の好リード チーム唯一の女子選手が、実力で正捕手の座を掴んだ。選りすぐりの小学…

DeNAジュニアの増田莉夢選手が2試合連続の好リード

 チーム唯一の女子選手が、実力で正捕手の座を掴んだ。選りすぐりの小学生がNPB12球団などのユニホームを着て日本一を争う「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」。大会2日目の27日、横浜DeNAベイスターズジュニアはオリックス・バファローズジュニアに5-1で快勝した。ここまで2試合で計3失点と投手力が光るDeNAジュニアを支えるのが、正捕手の増田莉夢(ますだ・りむ)選手(6年=神奈川・座間パイレーツ)だ。

 26日の福岡ソフトバンクホークスジュニア戦は塚野太一選手(6年=神奈川・久本ブルーエンジェルス)、阿部孝太朗選手(6年=神奈川・川和シャークス)、27日のオリックスジュニア戦は豊田一稀選手(6年=東京・旗の台クラブ)、高野正義選手(6年=神奈川・西小磯ベースボールクラブ)と、タイプの異なる左右の投手陣を一人でリードした増田さん。惜敗した初戦も2回以降は本塁を踏ませず、ファウルフライのダイビングキャッチを試みるなど、ガッツ溢れるプレーを披露して存在感を示した。

 増田さんは兄の影響で小学1年生の頃に野球を始めた。座間パイレーツでも男子選手に交じってプレーしており、投手と捕手を務める。自チームでもジュニアチームでも「周りは男子ばかりなので、絶対に負けないように、食らいつく気持ちでやっています」と闘志を燃やす。

 DeNAジュニアには当初、正捕手候補が3人いたが、最終的に増田さんが勝ち取った。増田さんはレギュラー争いにおいても「絶対に負けられない」と貪欲にアピールを続けた。球団OBの松井飛雄馬監督は「どっしりとしていて『ザ・キャッチャー』という雰囲気がある。守備力が高く、フレーミングもうまくて素晴らしい選手です」と手放しで絶賛する。

将来の夢は「女子プロ野球選手になる」こと

 普段から「ピッチャーが投げやすいようにリードする」ことを心がけ、性別の違いは関係なく投手陣と積極的にコミュニケーションを図っているという。一方、松井監督が「ベンチで声をかけられても聞こえなくなるほど、ゾーンに入る時がある」と話すように、試合中は高い集中力を発揮する。

“逸材”と呼ばれるハイレベルな投手陣とバッテリーを組み、「みんなコントロールが良くて構えたところにボールが来るので、捕っていて楽しい。ピッチャーが頑張ってくれているので自分も頑張りたい」と心を躍らせる増田さん。「女子プロ野球選手になる」という将来の夢への第一歩を踏むべく、大舞台でその名を全国に知らしめる。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)