北海道や東北を中心にクマによる被害が相次ぐ中、箱根路は? 主催の関東学生陸上競技連盟が27日、来年1月2、3日に開催され…
北海道や東北を中心にクマによる被害が相次ぐ中、箱根路は? 主催の関東学生陸上競技連盟が27日、来年1月2、3日に開催される第102回東京箱根間往復大学駅伝を「従来通りの運営をしていく」方針を示した。日刊スポーツの取材に対して明らかにした。
複数の関係者によると、箱根町役場とは継続的に連絡を取ってきた。現時点でコースとなる国道1号線や町周辺でのクマの出没情報はないという。関係者の1人も「町もずっと観察してくれていた結果。『対策をする必要はない』という連絡も(関東学連に)あった」と認めた。
神奈川県ホームページの「令和7年度県内におけるツキノワグマの目撃等情報」でも、今月15日時点で、箱根町での目撃情報はなかった。
関東学連を含む大会実行委員会では、宮城県で10月に行われた全日本大学女子駅伝の、独自の対策マニュアルなどをモデルに検討も行ったという。しかし、箱根町にはクマの出没情報がなかったことで「こちらから(対策や対応を)公表するものでもなかった」と関東学連関係者は説明した。
仮に、レース前や開催期間中にクマの出没情報が出た場合は「箱根町役場の観光課と連携を取り合い、適切に対処する」。対応の詳細は明かさなかったが、関東学連としても独自の「危機管理マニュアル」を基に進めるという。
関係者は「これまで地震や火山活動(の活発化)の後も大会運営をしてきた。人命第一でやっていきたい」とした。
かつてないほど、駅伝におけるクマ対応も話題になってきた。11月に開催された宮城県の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)では、開始後にコースから半径100メートル以内にクマが出没した場合は中止する、などの対応策を発表していた。
秋田県で開催された東北高校駅伝では、選手とクマの遭遇リスクを踏まえ、後に全国高校駅伝(12月21日)で初優勝を果たす福島・学法石川が参加辞退したケースもあった。
来年元日に群馬県を舞台に開催される全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)では、コースから半径100メートル内に出没した時だけ、該当区間だけが中止になる。安全が確認された区間から再開するなどの対応策が既に発表されている。