<4団体統一スーパーバンタム級タイトルマッチ>◇27日◇ムハマド・アブド・アリーナIBF世界スーパーフライ級6位寺地拳四…
<4団体統一スーパーバンタム級タイトルマッチ>◇27日◇ムハマド・アブド・アリーナ
IBF世界スーパーフライ級6位寺地拳四朗(33=BMB)が、無念の試合キャンセルに大粒の涙を流した。
IBF世界スーパーフライ級王者ウィリバリド・ガルシア(36=メキシコ)戦の中止発表を受け、ドコモの有料映像配信サービス「Lemino(レミノ)」のインタビューに応じた。
ガルシアが26日午後の公開計量後、体調を崩して入院。試合中止までの経緯を聞かれると、寺地は記憶の糸をたどった。
「(深夜)12時ぐらいにトレーナーから連絡があって、ロビーに呼ばれて『何やろう』と思って行ったら、『対戦相手が運ばれました』って言うので。『明日の試合がなくなりそう』みたいなことを言われてって感じですね」
今回の一戦で勝てば、WBA、WBC、WBO世界スーパーフライ級統一王者のジェシー・ロドリゲス(25=米国)との4団体統一戦の実現にも近づくチャンスでもあった。
日本から応援しに来たファンもいただけに、寺地は「ダメだ。泣きそう…」とハンカチでサングラス越しに涙を何度も拭った。
それでも、「やっぱり、もう、でも、しょうがないですよね。誰を責めるわけでもないんで。もうしょうがない」と感情を抑え込んでいた。
最後は、「今回は残念な形になりましたが、ここで腐らずより成長できるように練習して頑張ります」と前を向いた。
◆寺地拳四朗(てらじ・けんしろう)1992年(平4)1月6日生まれ、京都・城陽市出身。奈良朱雀高-関大。ボクシングは中3から。14年に元日本ミドル級王者の父・寺地永のBMBジムに入り、同年8月にプロデビュー。17年5月にWBC世界ライトフライ級王座を獲得し、その後8度防衛。21年9月に初めて王座陥落するも22年3月に矢吹正道にリベンジを果たして王座奪還。同年11月にはWBAスーパー、WBC同級王座統一。24年10月にWBC世界フライ級王座を獲得し、25年3月にはWBA、WBC世界同級王座統一し、井上尚弥に続く日本人2人目の2階級統一王者となったが、7月にサンドバルに敗れて王座陥落していた。