高校野球界では2025年も、たくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたく…

高校野球界では2025年も、たくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさんいる。そのなかで未来のヒーロー発掘も含め、好プレーヤーを紹介していきたい。

　16年ぶりに秋季東京都大会で優勝を果たした帝京の右スラッガー、蔦原 悠太外野手（2年）が、全国の舞台でいきなり花を咲かせた。

　明治神宮大会の初戦、山梨学院（山梨）戦の第1打席の2回に、先制のソロを左翼席へ運んで見せた。やや外角よりの球を思い切り引っ張ると、打球があっという間にフェンスを越えた。リストを生かしたスイングが特徴的だった。

　グリップを顔付近に制止させて構える。あまり左足を引くことなく、体全体のブレもない。球を手元までしっかり引きつけて、リストの強さで速い打球を生んでいる。本塁打も外角球をやや引っかけるようにして、手首の返しで飛距離につなげた。

　秋季東京都大会では本塁打はなかったが、6試合で7打点を挙げた。6番以下の打順が多いが、勝負強さは兼ね備えている。神宮の舞台でも、本塁打の後も犠飛で打点をマークするなど、チーム3得点のうち2得点を挙げた。

　172センチ、87キロ。太ももは太くがっちりしている。体全体にパワーも感じられ、一冬越えて一段を体が出来上がった右スラッガーが、センバツでもさらなる輝きを放ちそうだ。