<全国高校ラグビー大会:尾道74-5遠軽>◇1回戦◇27日◇大阪・花園ラグビー場3大会連続13度目出場の遠軽(北北海道)…
<全国高校ラグビー大会:尾道74-5遠軽>◇1回戦◇27日◇大阪・花園ラグビー場
3大会連続13度目出場の遠軽(北北海道)が尾道(広島)に敗れた。10大会ぶりの初戦突破は逃したが、終盤の1トライで意地を見せた。後半23分、ゴール手前10メートルでのスクラムからNO8吉田琉希也(るきや、3年)が持ち出し、右隅に唯一のトライを決めた。「最後だったので何が何でも取りたかった。チームがあそこまで運んでくれたから」と振り返った。
相手のパワーとスピードが上回り、終始自陣でプレーする苦しい展開。守備でリズムを作れず、ミスでボールを失う。好機に恵まれなかったが、試合終了が近づき、残り7分。吉田琉が執念で押し込んだ。1年から花園を経験。「(尾道は)3年間戦ってきた中で一番強かった。自分たちのやりたいアタックがなかなかできなくて苦労したけど、最後みんな体を張って戦えていたので良かった」と、すがすがしく負けを認めた。
地元で出土の黒曜石をモチーフにした真っ黒なデザインの新ジャージーで初めて臨んだ全国舞台。「誰かのために働きたい」と志望する消防士になる夢に向かって突き進むため、ラグビーは高校まで。試合後さわやかな笑顔でピッチと別れ「もう本当にやり切ったなっていう感じで、後悔なく終われたので良かった」。戦いを終えて額に浮かぶ汗は、黒曜石のように艶やかに光っていた。【保坂果那】