第105回全国高校ラグビー大会が27日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕する。記念大会のため愛知県勢は2校出場。1…
第105回全国高校ラグビー大会が27日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕する。記念大会のため愛知県勢は2校出場。1回戦は、13大会連続15回目出場の中部大春日丘が岐阜聖徳学園(27日正午開始予定)と、初出場の名古屋は千葉・流通経大柏(28日午後2時半開始予定)とそれぞれ対戦する。(辻健治)
■「飛び級」スクラムハーフが司令塔
大会間近となった12月の平日、中部大春日丘と名古屋が合同練習をした。愛知県代表の2校が花園に向けてプレーに磨きをかける様子は、記念大会ならではの光景だった。
「簡単ではないが意味のある道。これはチャンス」。中部大春日丘の宮地真監督(60)は、練習後のミーティングで選手らに語りかけた。4大会ぶりにノーシードで臨む今大会は、3回戦までの同じブロックに佐賀工や東海大大阪仰星、大分東明といった強豪が集まったからだ。
県大会は3試合で計303得点17失点と、攻守で圧倒して制した。目標は初の日本一。宮地監督は荒木奨陽主将(3年)らが入学した頃から、この冬の全国制覇を思い描いてチームを鍛えてきた。荒木主将は20歳以下日本代表に「飛び級」の選出をされたスクラムハーフで、チームの司令塔だ。
FW陣の平均体重は98.3キロ。BK陣とともに豊富な運動量とスピードを強みとする。FWの軸となる高校日本代表候補のロック・三治蒼生選手(3年)は推進力が光る。
今季のスローガンは「絶対を作る」。初戦敗退した前回大会の教訓を踏まえ、どんな場面でも的確なプレーができるように基本を徹底するとの思いを込めている。荒木主将は「期待されプレッシャーもあるけど、花園で自分たちのラグビーを6試合やりきれたら日本一になれる」と言った。
■FW陣を引っ張る「ツインタワー」
名古屋は昨年まで5年続けて県大会決勝で涙をのんできたが、守備とセットプレーを磨いて創部67年目で悲願の花園初出場をつかんだ。
FW陣の平均体重は93.8キロ。中でも攻守で引っ張るのが「ツインタワー」の2人だ。
高校日本代表候補のナンバー8・山本航大選手(3年)は188センチ98キロ、フランカー・市川結雅選手(3年)が191センチ101キロと大柄で、「真っ向勝負で負けないのが大事。セットプレーで流れを持ってくるようにしたい」と山本選手。敵陣ゴール前のラインアウトモールで押し込み、トライを奪うのが得意とする攻撃パターンだ。
流通経大柏は31大会連続33回出場の伝統校。二木久善監督(43)が千種の2年生FWとして第79回大会に出場した際、2回戦で敗れた相手だ。
チームを指導して20年の二木監督は「引き寄せちゃったかな」と苦笑しつつ、「前評判をひっくり返すんだというエネルギーを持って試合に臨みたい」と話す。
センターの中島裕次郎主将(3年)は「何回でも相手をぶっ倒して、『名古屋ってこんなチームだぞ』というのを残せるように頑張りたい」。黒灰色のジャージーが花園で旋風を起こせるか。(辻健治)