ボクシング界で「最強」の名をほしいままにしている井上(C)Getty Images 果たして、“モンスター”の行く末はど…

ボクシング界で「最強」の名をほしいままにしている井上(C)Getty Images
果たして、“モンスター”の行く末はどうなっていくのだろうか。
現地時間12月27日、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、サウジアラビアの首都リヤドで開催される興行『NIGHT OF THE SAMURAI』で、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(メキシコ)との防衛戦に臨む。この試合を勝利で飾れば、激闘づくめだった2025年は4戦無敗。トップファイターとしては「異例」と言える年間4試合を華麗に締めくくる形となる。
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昨年11月に推定30億円という驚愕のスポンサー契約を締結した『Riyadh Season』のバックアップを受け、初めて臨むサウジでの決戦。俄然、「モンスター」への関心が高まっているのだが、それは本人も承知の上だ。ピカソとのを前にした記者会見において井上は「この試合は今後のキャリアを加速させていく一戦。パウンド・フォー・パウンド1位に返り咲く気持ちで挑んでいきたい」と“世界最強”を印象付ける勝利への野望を隠そうとはしなかった。
もっとも、32歳となって「“引退”というものが見えてきた」(『DAZN』のインタビューより)と語る当人は、己の近未来に対する考えも赤裸々に発信している。「黄金の拳を持つ日本のボクサー、ナオヤ・イノウエ。彼は自分の限界を定めていない」と銘打ったインタビュー記事を掲載したスペイン紙『Marca』によれば、井上は「自分はPFP(クロフォードとウシクに次ぐ)で3位でも構わない。とにかく望むのは1位を目指して戦い続けること」と語り、おぼろげに浮かび上がる自分のプランを口にした。
「キャリアの中で、自分はどんな相手と戦うかは後でわかる。とにかく今は目の前の目標に集中したい。あと3、4年で世界一のボクサーになる」
普段はあまり自分の未来について多くを語らない井上だけに実に興味深い発言だ。ちなみに一連の内容を伝えた『Marca』は「13年のプロキャリアを積み重ねてきた32歳だが、いまだ究極の目標を追い求めており、『引退』がすぐそこに差し迫っているとは考えていない」と指摘した。
本人が語った「世界一」とは何を示すのか。階級上げに慎重な姿勢を見せてきた井上だが、来年以降でフェザー、スーパーフェザーと上げ、4階級での4団体統一という偉業も視野に入っているのかもしれない。仮にこれをやってのければ、前人未到となる3階級4団体統一王者テレンス・クロフォード(米国)を凌駕し、世界的な声価が急騰するのは言うまでもない。
今後はあらゆる選択肢が広がってくる中で、“世界最強”とされる井上がどの道を歩むかは興味深く見守りたいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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