NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第3節(リーグ…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第3節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年12月28日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)


埼玉パナソニックワイルドナイツの本堂杏虎(ほんどうあとら)選手

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)のスクラムハーフである本堂杏虎が、入団5年目にして待望の初キャップを迎える。

2歳からラグビーに親しみ、U20日本代表にも選出されるなど学生時代は順調に階段を上ってきた本堂にとって、埼玉WKへの加入は、夢への最短距離であるはずだった。

だが、現実は甘くない。

「戦術やサインの細かさについていけませんでした」

自らの感覚でプレーするラグビーから、組織として遂行するラグビーへの転換。ミスが続く毎日に、夜も眠れなくなった。

「朝5時に起きなきゃいけないのに、夜中の3時まで眠れなかったこともありました。時計の針の音が、妙に大きく聞こえてしまっていた時期でした」

気持ちの浮き沈みを抱える中で支えとなったのが、家族の存在だった。入団2年目に結婚し、家に帰ればラグビーから一度距離を置ける環境が生まれた。「妻も、よく話を聞いてくれました」と感謝を口にする。

もう一人、大きな存在がいる。パラリンピアンとして世界を舞台に戦う姉の本堂杏実さんだ。

「なるようになるから大丈夫」。パラアルペンスキープレーヤーとして平昌、北京とパラリンピックに出場してきたトップアスリートだからこそ、同じ視座で投げかけてもらえる言葉があった。その言葉が、本堂の肩の力を抜いた。結果を急がず、自分を責めすぎない。そうやって、少しずつ前を向けるようになった。

「頑張り過ぎなくていい」

家族との会話をとおして、本堂は“戦う準備”の仕方を学び直した。与えられた役割を全うすること。その積み重ねが、5年目にしてようやく巡ってきたチャンスへとつながった。

メンバー入りを伝えられたのは、週最初の練習が行われた火曜日。ラグビーの道に導いてくれた父に、そしてラグビーを教えてくれた父に、まずは報告したいと微笑んだ。


リザーブとして待望のメンバー入りとなった

「選ばれたからには、チームを勝たせます」。ディフェンスでは体を張り、アタックでは「バンバンさばいて」テンポを生み出す。フランカーに憧れた少年時代から変わらない“前に出る姿勢”を、スクラムハーフとして表現するつもりだ。

「勝ち切ることが、僕に課されたミッションです」

スクラムハーフだけでなく、センターやウイングもこなす万能さ。リザーブとして求められる役割を、与えられたポジションで全うする覚悟がある。

長い遠回りの先に立つ、スタートライン。苦難を乗り越えた5年間のすべてを、リーグワン初のグラウンドに注ぎ込む。

(原田友莉子)