ピカソと緊張感の漂う視殺戦を繰り広げた井上(C)Getty Images 来るサウジアラビアでの『NIGHT OF TH…

ピカソと緊張感の漂う視殺戦を繰り広げた井上(C)Getty Images

 来るサウジアラビアでの『NIGHT OF THE SAMURAI』で、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が迎え撃つのは、技巧派メキシカンのアラン・ピカソ(メキシコ)。キャリア33戦無敗(17KO)を誇り、他でもない“モンスター”も「10センチ差ある身長と25歳で無敗という若さ、勢いがある」と警戒をする難敵だ。

【動画】アフマダリエフの顔面をヒット! 井上尚弥の渾身フックをチェック

 一撃で流れを一変させるメキシカンらしさも秘めるピカソだけに、番狂わせの可能性がないわけではない。まして、対峙するのが「世界最強」の呼び声も高い“モンスター”であるならば、何としても勝って国際的な声価を高めんと、想定以上の力を発揮してくることも十二分に考えられる。

 しかし、総合力で大きく上回る井上の「断然優位」という見方はやはり揺るぎないものがある。米スポーツ専門局『FOX Sports』は、「挑戦者はボクシング界の頂点に君臨するイノウエを、その王座から引きずり降ろそうと躍起になるだろう」とピカソのモチベーションが結果に少なからぬ影響をもたらすと分析しつつ、「今のイノウエに匹敵するファイターはほとんどいない」と番狂わせが起こりえないと見解を示した。

 キャリア無敗のピカソを「決して弱い選手ではない。身長とリーチ差が生きれば、イノウエの限界も試せるかもしれない」と評する同局だが、「イノウエは圧倒的。勝者としてタイトルを防衛するだろう」と断言している。

「ボクシングでこれほどの成功を収めながら、一般のファンに、多くを知られていないイノウエほど謎めいた存在であり続けるスターはほとんどいない。だが、そうした状況も国際的な注目度の高い今回のサウジアラビアで一変するはずだ。KO率87%を誇る彼が驚異的なパウンド・フォー・パウンドの理由となっているパワーをピカソに発揮すれば、世界の見方は変わる」

 果たして、世界が関心を示すサウジ決戦はいかなる決着を見るのか。井上にとっては、来年5月に想定されている中谷潤人(M.T.)とのメガマッチに向けた試金石となるだけに、その内容も注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】「番狂わせの余地はない」名伯楽が警告 サウジでの井上尚弥vsピカソ戦に懸念の声「“怪物”を相手にできることは何もない」

【関連記事】井上尚弥への挑戦は「自殺行為」 無敗男ピカソの母国で広まる“怪物”の圧勝論「勝つのはほぼ不可能だ」

【関連記事】アフマダリエフ戦が“塩試合”にならなかった凄さ 元世界王者も驚く井上尚弥の底知れぬ潜在能力「あの男は本当に別格」【現地発】