◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)12月25日=枠順抽選会 今年で12年目となった…

◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)12月25日=枠順抽選会

 今年で12年目となった公開枠順抽選会。コロナの影響を受けてリモートで開催されたこともあったが、今年は各陣営が一堂に会して行われた。集まった約400人の競馬ファンが固唾(かたず)をのんで見守るなか、勝敗を左右する大事な抽選がスタートした。

 最初に選ばれたのはミュージアムマイル。いきなり有力馬の登場に、観客席からは歓声が起きたが、その約10分後、この日一番の盛り上りを見せたのが、5番目に呼ばれたメイショウタバルだった。

 石橋調教師、松本好隆オーナーに促され、武豊が馬番の入った黒いボールをゆっくり手に取った。引き当てたのは3枠6番。会場の拍手と歓声に応えるように何度もうなずいたレジェンドは「いい枠だと思います。ディープ、ドウデュースも赤帽で勝ったので」と納得の表情を浮かべた。

 ディープインパクトでは2着の05年(6番)とラストランを勝利で飾った06年(4番)、23年のドウデュース(5番)も3枠の赤帽だった。過去30年で連対率1位(20・7%)を誇る馬番でもあり、さすがの引きの強さを披露した千両役者は「たまたまだけどドウデュース、キタサンブラック(17年)の時もそうだった」と当日の騎乗予定は1鞍のみの“有馬入魂”で勝利を狙う。松本オーナーも「父が喜んでくれたらうれしいなと思います」と笑顔で本番を心待ちにした。

 続く6番目に呼ばれたのがレガレイラ。有力馬が続けて登場し、会場のボルテージが最高潮となるなか、ルメールが引いたのはメイショウタバルの隣の5番。「パーフェクト! 有馬記念は内枠が大事だから。スタートだけは気をつけないといけないですね」と連覇へのポイントを挙げた。全馬の枠順が決まると、過去3勝の名手は「ダノンデサイルが一番のライバル」と5枠9番に入った同じ4歳のダービー馬を警戒した。

 その後は、一度も勝ち馬が出ていない鬼門の大外16番にラストランとなるタスティエーラが入り、15番目に引いたコスモキュランダの横山武は、エフフォーリアで勝った21年と同じ5枠10番にニッコリ。悲喜こもごもの枠順抽選を終え、いよいよ各陣営が本番モードに突入した。