ソフトバンク孫正義オーナー(68)が25日、福岡移転後初のリーグ3連覇を厳命した。小久保裕紀監督(54)と城島健司CBO…

ソフトバンク孫正義オーナー(68)が25日、福岡移転後初のリーグ3連覇を厳命した。小久保裕紀監督(54)と城島健司CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー、49)がシーズン報告のため、都内のソフトバンクグループ本社を訪問。総帥は「やらなきゃいけない」と熱弁を振るった。同日、2年連続最多勝の有原航平投手(33)は古巣日本ハム移籍が決定。エースのライバル球団への流出は痛手だが、一丸で常勝に突き進む。

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小久保監督と城島CBOが待ち受ける中、孫オーナーは朗らかな表情で会見場に現れた。開口一番に「本当に素晴らしい年の締めくくり」と2人をねぎらった。今季はリーグ2連覇と5年ぶり日本一を達成。オーナーの声も一段と弾んだ。「監督、そしてスタッフのみなさん、城島CBOを含めてみんなが力を合わせてくれた。何より選手のみなさんがプロとして、わがホークスのリーグ連覇に力を最大限発揮してくれた」。称賛の言葉は止まらなかった。

だが、ここで満足しないのも孫オーナーだ。総帥が貪欲に勝利を目指し続けるからこそ、ソフトバンク球団は強くあり続ける。来季は福岡移転後初のリーグ3連覇がかかる重要な年。孫オーナーは「やらなきゃいけないですね。やる以上は目指さなきゃいけない」と、ホークスが福岡に本拠地を置いた1989年(平元)年以降初の偉業を厳命。来季から新たに3年契約を結んだ小久保監督は「気持ちは優勝した後に来季に向かっていましたけど、改めてオーナーにご報告することによって、より一層、来季の3連覇に向けてのモードに入れる」と引き締めた。

この日、2年連続最多勝、在籍3年間で38勝を挙げた有原が古巣日本ハムに移籍することが決まった。エースの退団、さらにライバル球団への流出はかなりの痛手だ。今季の最終盤までリーグ優勝を争った新庄ハムはさらに脅威となるが、ソフトバンクは有原流出に備えてあらかじめ準備。台湾プロ野球、味全のエース徐若熙(シュー・ルオシー)投手(25)を獲得することが決まっている。フロントトップの城島CBOは「魅力にあふれた素晴らしいピッチャー。今すぐにでもうちの強力な先発ローテーションに割って入れる」と最速158キロ右腕について初めて言及。有原の穴を埋める活躍に期待した。

球団スローガンに「目指せ世界一」を掲げるソフトバンク。孫オーナーは「世界には素晴らしいチームがまだまだあります。彼らのレベルと伍(ご)してやっていけるように」と共通認識を再確認した。有原が抜けても、常勝軍団の看板は守り続ける。【只松憲】