高校野球界では2025年も、たくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたく…
高校野球界では2025年も、たくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさんいる。そのなかで未来のヒーロー発掘も含め、好プレーヤーを紹介していきたい。
33年ぶりに中国王者となった崇徳（広島）には、将来楽しみな1年生右スラッガーがいる。國川 航希内野手（1年）は、長打力が魅力の2番打者として、この秋のチームの快進撃を担った。
中国大会は4試合すべて2番一塁手でスタメン出場。1本塁打を含め、17打数7安打の打率.412をマークした。打点5は、チームトップ。2番打者ながら、チームの得点源となった。
181センチ、93キロの恵まれた体格は1年生とは思えない。打席に立って、構える姿は「4番」の風格さえ漂わせる。中国大会の関西（岡山）戦では、左翼へ3ランを放ったが、追い込まれてからの高めに浮いた変化球に反応してフルスイング。打球はあっという間に左翼芝生席へと突き刺さった。それまでは、やや直球に差し込まれていたが、変化球にはうまく対応できた一発だった。
明治神宮大会でも「修正能力」を見せた。花巻東（岩手）の左腕エース・萬谷 堅心投手（2年）に、2打席目までは外角球を逆方向へ打たされたようなスイングで打ち取られていた。しかし、走者を二塁に置いた4打席目には、外角への変化球を流すのではなく、思い切って引っ張って左中間への適時二塁打とした。パワーを生かした、思い切りのいい豪快なスイングに切り替え、結果を出した。チームは初戦敗退に終わったが、唯一挙げた得点は、チームの「打点王」らしい一打から生まれたものだった。
1年生でもあり、まだまだスイングスピードが上がる余地がある。体の切れも生まれてくるだろう。同じくスラッガータイプの左の1番・新村 瑠聖捕手（2年）との「1、2番スラッガーコンビ」として、来年センバツで大暴れするかもしれない。
