新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“…
新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“100年に1人の逸材”として団体を引っ張り、現役を引退する棚橋弘至(49)が運命の1・4を迎える。チケットが全席完売となった大注目の大会を前に、棚橋の激闘10選を10回にわたって振り返る。第1回目は、2006年7月17日、IWGP王座初戴冠となった北海道での棚橋vsバーナードだ。
<棚橋弘至・激闘10選:第1回>◇2006年7月17日◇北海道・月寒グリーンドーム
新日本プロレスの棚橋弘至(29)が17日の札幌大会で、三度目の正直で悲願のIWGPヘビー級王座を獲得した。王者決定トーナメント決勝でジャイアント・バーナード(31)を17分44秒、スリングブレイドからの片エビ固めで撃破。試合後は新日本プロレスの新時代をつくる決意をあらわにした。
挑戦するはずだった前王者レスナーの憎い顔が浮かんだ。バーナードがレスナーの必殺技バーディクトを仕掛けてきたときだ。裏切りへの怒りが再び込み上げた。カバーをカウント1で返す。ボルドーボム、コーナープレスと畳みかける相手の技をすべて返した。まるで団体に次々と降りかかるトラブルに立ち向かうかのようだった。
予定されていたタイトル挑戦の試合2日前に王者レスナーの欠場が決まった。レスナー戦に集中してきただけに、投げ出したい気持ちにもなった。だが、16日の旭川大会の試合後、ファンに謝罪した際に逆に激励を受けた。「お前のせいじゃない。謝るより頑張れ」。信じてくれるファンがいる。最高の試合を見せるのが自分の責任だと思い直した。
若手エースから真のエースへ-。「理想は巡業に必ずいて、メインを締める王者」とレスナーとは正反対の王者像を目指す。だからこそ、試合後はその覚悟を込めて「オレがエースです」と宣言した。
リング上では「愛してます!」と叫び、歓喜の涙を流した。だが、その視線は既に未来を見ている。失ったファンの信頼を取り戻し、新日本プロレスを再び躍進させるために全身全霊を注いでいく。
<注>当時の記事をリメーク。記事中の年齢、肩書などの表記は当時のものを使用。
(動画提供:テレビ朝日)