今季限りで阪神を退団したジョン・デュプランティエ投手(31)が、ともに戦った仲間たちへ感謝の言葉を贈った。来季からはDe…

今季限りで阪神を退団したジョン・デュプランティエ投手(31)が、ともに戦った仲間たちへ感謝の言葉を贈った。来季からはDeNA入りが決定的。ユニホームは変われど、来日1年目をともに戦った先発陣への想いは人一倍強い。1年間ともに戦ってきた先発ローテ陣に向けてのラストメッセージ-。それぞれ感じたことや刺激を受けたことを明かした。【取材・構成=波部俊之介】

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デュプランティエは前置きをして、仲間についてうれしそうに語った。

「これは僕の受け取った印象だからね。先発陣やファンが怒っても、それは僕のせいじゃないからね!(笑い)。いい話をするよ」

◆才木

素晴らしい才能。スーパーヒーローのような感じ。自分の能力を信じて、自信を持ってマウンドに上がっているね。けれどユニホームを脱いだ才木は身長の高い、大きな子どものような人間性なんだ(笑い)。バカなことや、いろんなジョークを言ったり。一瞬一瞬を楽しもうとしているのが見えるし、こっちも楽しい気分になれる。僕があいさつや少しジョークを言った時でも一緒になって冗談を言い合ってくれたり、「ミセス」の曲を急に歌ったり(笑い)。やっていることを止めてでも一緒になって楽しんでくれる、面白い性格をしていると思うね。

◆村上

マウンドに立った頌樹は自信に満ちあふれている。アメリカでよくする例え方なんだけど、影が実際の姿より大きく見えるんだ。170センチくらいでも影は2メートルくらいに見えたり、それだけ存在感が現れている。実は日本に来て最初は「僕のこと嫌いなのかな?」と長い間思っていたんだ(笑い)。ただ時間がたてば和らいで、面白いヤツだなと。たくさんしゃべるし、温かい気持ちにしてくれる。彼は自分の仕事に集中して、真摯(しんし)にコツコツ取り組むタイプの人。その中で少しイジりたくなったり、彼自身もイジってくるような。自分がダンスをしたら一緒に踊ってくれるタイプではないけれど、笑顔で見守ってくれる。素晴らしい性格だね。

◆高橋

遥人からは一番刺激を受けているよ。投球のマスターなんじゃないかと思う。素晴らしい投球をした時も1、2球、納得いかなかったら自分自身を追い込んで「こんなのじゃダメだ」と。より良い投手になるためには必要だと思う。ケガとか今までの辛い過去も含めて、今投げている姿はすごく刺激になるよ。キャンプで「どのピッチャーがいいか」と聞いた時、才木や村上の名前が挙がったんだ。けれど、誰もが遥人とすれ違った時は「あのピッチャーはすごいぞ」と言っていて。最初は分からなかったけど、やっぱりすごい投手だと感じたね。

グラウンド外では、人生で会った人の中で一番変わっている(笑い)。本当に「左投手の中の左投手」。これだけ変わっている人がいるのかと思ったよ。最初に会った時にジョークを言ってきたんだ。全然理解できないし面白くないんだけどね。けれど後々になっても言い続けるから、そのジョークが面白いものになって理解できるようになったんだ。彼といると自分らしくいることって本当に大切だなと。今の時代、自分らしく突き進めることが素晴らしい。一緒にいて楽しいし、みんなから愛されるのが分かるよ。

◆大竹

大竹は今、「失われた特性の投手」の1人。彼は速いボールを投げなくてもアウトを取るし、どうやって打者を抑えるか熟知している。アメリカで「アート」と言われるんだけど、どうアウトを取るかの芸術性を持っている投手は貴重だよ。その中で彼の闘争心。ピンチを抜けて叫ぶ姿を見て、素晴らしいなと。最高級の褒め言葉があるんだ。彼は「dog」だと。闘争心があって能力がある人のことで最高の名称なんだけど、本当に彼はドッグ。学べることも多いよ。

一方で、球場外は彼も左投手(笑い)。遥人ほどではないけど変わったことをやったり、見たことのないルーティンをやっていて。ただ、一貫性があるんだ。毎日続けて、体をどのようにベストな状態にしていくか理解している。彼ほど、どんな状況にも合わせて準備できる選手はいないんじゃないかな。静かで口数が多い方ではないけど、物腰が柔らかくて優しい心の持ち主。みんなにとって何が最適か常に考えてくれる。他の人の成功を願ってくれているのが分かるね。

◆阪神で過ごしたシーズン

素晴らしい経験だった。日本に来たいと思っていたところで機会をもらえて、来ることができたのは自分の人生にとって貴重な体験。もちろん世界の裏側から1人で来るのは不安で簡単なことではなかった。けれど、そのような心配もなく過ごすことができたのは、みんなのおかげ。みんなと過ごした時間は素晴らしいものだったよ。