大相撲大賞の後編は、今年最多の金星3個を獲得した伯桜鵬改め伯乃富士(22=伊勢ケ浜)にスポットを当てた。持ち前の鋭い踏み…
大相撲大賞の後編は、今年最多の金星3個を獲得した伯桜鵬改め伯乃富士(22=伊勢ケ浜)にスポットを当てた。持ち前の鋭い踏み込みから、圧力をかけて名古屋、秋と2場所連続で大の里を撃破。秋場所では優勝する大の里を大関以下で唯一破り、初の殊勲賞に輝いた。九州場所では初日に豊昇龍に快勝。初顔合わせから3連敗だった苦手の相手を破り、成長を示した。
今年初場所で引退した横綱照ノ富士(現伊勢ケ浜親方)は、同部屋で対戦する可能性がなく、必然的に金星のチャンスはなかった。それが初場所後に豊昇龍、さらに大の里と2横綱が誕生。金星の総数は、照ノ富士の休場が多かったこともあるが、昨年の6個から、今年は17個と約3倍に。その中で伯乃富士が光った。
昨年から大の里、安青錦がスピード出世の記録を次々とつくった。だが伯乃富士も、初土俵から所要1場所で関取昇進という、今後誰も抜くことができないスピード出世の記録保持者。愛称は「令和の怪物」だ。新三役目前の東前頭筆頭で臨んだ九州場所は6勝9敗に終わり「上位の壁にはね返されてしまったことは本当に悔しい」と、雪辱を期している。3場所連続で金星獲得の実力は本物。金星の権利がなくなる三役昇進まで、継続中の連続金星の記録が続くかもしれない。(おわり)【高田文太】