関西1部リーグの新クラブ「IKOMA FC奈良」(以下生駒、奈良・生駒市)は24日、東京・文京区の日本サッカー協会の施設…

関西1部リーグの新クラブ「IKOMA FC奈良」(以下生駒、奈良・生駒市)は24日、東京・文京区の日本サッカー協会の施設で会見を開き、元日本代表FWの播戸竜二氏(46)の社長就任を発表した。

今季までヴェラーゴ生駒として活動したが、歯科医院向けのキャッシュレス決済の導入支援などで急成長し、そのシェアNO・1のSCOグループが事業を継承し、播戸氏とJリーグ加盟を目指す。

新社長は「街を、日本を元気にしていきたい。常に応援してもらえるクラブにしたい」と所信表明し、G大阪コーチだった高木和道氏(45)の新監督就任も発表。Jリーグ5部相当の地域リーグから当面の目標になるJ3昇格は、最短で28-29年シーズンになる。

播戸社長はこの席で、JFL鈴鹿の元日本代表FW三浦知良(カズ、58)へ獲得の正式オファーを出したことも公式に認めた。

「日本サッカーの象徴であるカズさんと一緒にやりたいから、何も考えずに会いに行った。カズさんは『オファーしてくれ、ありがとう』と言ってくれた。カズさんが、うちに来たいと思ってくれるようなクラブにしたい」

この約1カ月でカズとは鈴鹿、東京、大阪で計3度交渉。自身が社長に就く経緯や、カズが必要な理由、その思いを伝えた。

カズを巡っては、来季は地域(東海)リーグ降格の鈴鹿、生駒、そしてJ3福島が正式にオファー。その中からカズは福島移籍が有力となっており、播戸社長は「本当は(この会見で)カズさんが来てくれますと、発表できれば良かったんですが」と、本音ものぞかせた。

ただ、カズ獲得に失敗したとしても、社長として歩みを止めるわけにはいかない。来季のチーム編成や、練習環境の整備など目の前の宿題は山積みだ。

「僕が生駒市のことをどれだけ知っているか。まだまだ知らないことがたくさんある。11万人の市民の方全員と会い、市民とクラブを作り上げていきたい」

現役時代は真冬でも、ユニホームは必ず半袖しか着なかった。中央競馬でG3勝利を含む3勝を挙げた「ハンソデバンド」は、播戸社長のそんな闘争心あふれる姿から命名されたほど。

今度はクラブ経営のトップに立ち、どんな成功へと導いていくのか。会見会場のすぐ隣ではこの夜、国民的アイドルグループ「Snow Man」のライブが開催され、ファンが周辺を埋め尽くしていた。そんな熱気に負けないほど、生駒を率いる新社長の闘争心はみなぎっている。