今年4月、主将ジャッジ(ヤンキース)の就任発表以来、ややじらすかのようにエントリー選手を徐々に発表してきたWBC米国代表…

今年4月、主将ジャッジ(ヤンキース)の就任発表以来、ややじらすかのようにエントリー選手を徐々に発表してきたWBC米国代表が23日(日本時間24日)、最後の「大きなピース」とも言える一塁手ハーパー(フィリーズ)の出場を発表した。

過去数年来、五輪を含め、母国代表の意義を力説していたハーパーの代表入りは想定内だったとはいえ、少しずつ「ドリームチーム」を固め、米国内の世論、期待感を高めようとする手法は、間違いなく米国の本気度の裏返しと言っていい。

ジャッジ、ハーパーらMVP経験者らのビッグネームに目を向けがちになる一方、今回の米国代表の人選は、より実戦的で「勝つため」のメンバー構成となった。今季50本塁打以上を放ったローリー(マリナーズ)、シュワバー、ジャッジらの長距離砲が主軸を務めるほか、スタメン予想9人で、計316本塁打(平均約35本塁打)と破壊力は申し分ない。

もっとも投手優位な春先の3月開催でもあり、長打力だけに頼るわけにもいかない。昨季38盗塁のウイット(ロイヤルズ)をはじめ、35盗塁のクロー・アームストロング(カブス)ら抜群の機動力とメジャートップクラスの守備力をも兼ね備えた布陣で固めたのも、過去の敗戦の教訓に違いない。

中軸の脇を固める各選手がパワーとスピードにあふれ、20代中盤前後の若き実力者が並ぶ米国代表。身びいきを抜きにしても、大谷、山本ら日本人のトップメジャーが並んでも、直接対決となれば苦戦は免れそうにないほど、最高峰の陣容が出そろった。【MLB担当=四竈衛】