ソフトバンク藤井皓哉投手(29)が夢の大台1億円を突破した。24日、みずほペイペイドーム内の球団事務所で契約更改を行い、…
ソフトバンク藤井皓哉投手(29)が夢の大台1億円を突破した。24日、みずほペイペイドーム内の球団事務所で契約更改を行い、5000万円アップの来季年俸1億2000万円でサイン。20年オフに広島から戦力外通告を受け、四国IL・高知を経て22年にNPB復帰した右腕が1億円プレーヤーの仲間入りを果たした。育成出身の大関友久投手(28)もほぼ倍額となる1億7000万円でサインした。
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藤井がプロ野球界に新たな希望の光をともした。クリスマスイブの契約更改で大台突破。「この業界にいれば、これからも(戦力外に)なる選手はいると思う。でも、もう1回できるという道しるべじゃないですけど、そういう存在になれたらいいなと思ってずっとやってきた」。寡黙な男が胸を張った。
藤井は20年オフに広島から戦力外通告を受け、四国IL高知を経て22年にソフトバンク入りしてNPB復帰。当初は育成契約だったが、開幕前に支配下登録され、移籍1年目は55試合で防御率1・12のフル回転だった。入団当初の推定年俸550万円から給料は年々うなぎ登り。今季は主に「7回の男」として51試合に登板し、19ホールド、防御率1・44。来季は5000万円増の1億2000万円でサインした。1億円プレーヤーの仲間入りを果たし「目に見えて数字が変わるのは目標にしていた」と冷静に語った。
「投げている感じが良くない」中でも盤石の勝ちパターン投手としてリーグ連覇と5年ぶり日本一に大きく貢献。さらにシーズンを戦う中で大きな刺激もあった。阪神でプロ野球新記録の50試合連続無失点をマークし、防御率0・17を残した石井大智投手(28)に対して「同じ立場、同じリリーフとして本当にすごい」と感服。同じ四国IL高知出身の後輩を引き合いに「なるべく0に近い数字を目指していきたい」と目標を語った。
交渉の席ではリリーフの査定についても改善を要望した。近年は登板過多を避けるために登板数が抑えられるケースもある。「50(試合登板)のハードルが高くなっていると思う。僕は1年(1軍に)いてこの数字」。4年間チームに貢献してきた藤井は「リリーフピッチャーはやっぱりみんな投げたい。でも(故障を防ぐため)投げないように管理しているというせめぎ合いもある。そこは球界全体も含めて言っていけたら」と見直しを望んだ。【只松憲】(金額は推定)
◆戦力外から1億円プレーヤーになった主な選手 82年オフに近鉄を解雇された山本和範は、南海に移籍してからレギュラーを獲得。83年の年俸は320万円だったが、94年に年俸1億200万円。翌95年には2億円に到達した。最近では福山博之が12年オフにDeNAを自由契約となり、楽天に移籍。4年連続60登板などブルペンを支える活躍で、13年に600万円だった年俸は18年に1億2000万円までアップした。