NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン3 第2節2025…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第2節
2025年12月21日(日)12:00 維新みらいふスタジアム (山口県)
マツダスカイアクティブズ広島 57-7 クリタウォーターガッシュ昭島
「俺が出ていたらあかんぞ」。チームを底上げするため、活力を放つ36歳
マツダスカイアクティブズ広島の李修平選手。「目標のD2昇格を見据えてスタンダードを上げていきたい」
「正直に言うと、思ったより出番が早かったです。チームが困ったときにしっかり力になれるようにという気持ちで準備していたので」
第2節に先発出場した李修平は苦笑いを浮かべたが、表情は充実感に満ちていた。
フルタイム出場を果たし、「60分で出し切れと言われていたんですけどね。(ダミアン・カラウナ ヘッドコーチに)『良かったから80分いけるという判断をした』と言ってくれましたし、しっかりパフォーマンスを出せたかなと思います」と頷いた。
2013年にマツダブルーズーマーズ(現・マツダスカイアクティブズ広島)に入団して以降、李はチームの中心選手としてプレーすると同時に、韓国代表としても活躍してきた。2022年にはアジアラグビーチャンピオンシップに韓国代表としてプレーしたが、そのため2022-23シーズンからはカテゴリCの登録となって、ここ2シーズンは出場機会を大きく減らしていた。
昨季は自分自身にプレッシャーを掛けて「通用しないのだったら辞めよう」と決意して臨み、4試合に出場。今季を迎えるにあたっては引退の2文字も頭にちらついたが、カテゴリAに戻ることもあって現役続行を決意し、「おそらく最後になると思うので、悔いのないシーズンにしたい」と決意して挑んでいる。
36歳になった李が今季に果たす役割は明確だ。
「『俺が出ていたらあかんぞ』と若い選手にプレッシャーを掛けつつ、チームを底上げしていくのが自分の役割です。チームの目標を果たすためにも、スタンダードを上げることが大事になる。シーズンは長いので、試合に出ている選手、出てない選手は関係なく全員でやっていかないといけない。昨季はそこが甘くて、その結果が入替戦に出たと思うので、目標のD2昇格を見据えてスタンダードを上げていきたい」
チームのスタンダードを上げるため、これからも日々の練習から自分のパフォーマンスを出していく。「自分の良さは、思い切りいいところと負けん気の強いところ。そこは負けないようにやっていこうと思います」と話すセンターは、とても気持ちが充実していてチーム最年長とは思えない活力を放っている。
(寺田弘幸)
マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(右)、嘉納一千ゲームキャプテン
マツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ
「われわれは良いパフォーマンスを出したと思います。特に前半は良かったと思います。ただ、後半はコントロールがあまりうまくできていなかったです。もうちょっとフェーズを重ねていかないといけないですね。どこからでもスコアできると思っているようでした。ディフェンスについて、真ん中は良かったですけど、ちょっとエッジのディフェンスが良くなかったです。真ん中でうまくディフェンスができているのと同じく、エッジでももっとフィジカルにディフェンスをしないといけないです。ただ、前半はうまくコントロールできた本当に良い40分でした」
──開幕連勝スタートになりました。今季の目標と意気込みをあらためて聞かせてください。
「今日はすごく大事な試合でした。なぜかというと、開幕戦はうまくできていないところがいっぱいあったからです。この試合の目的は、うまくコントロールし、私たちのプレーに集中することでしたが、その目標は達成できたと思います。本当に素晴らしい40分でしたが、これを60分、80分まで同じぐらいのパフォーマンスをできるように練習していかないといけないと思います。いまコーチたちと選手たちがやっていることは、前半のパフォーマンスによって大きな自信になったと思います」
マツダスカイアクティブズ広島
嘉納一千ゲームキャプテン
「今週が始まったところからずっと、バンバン(ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ)が『今季の基準となる試合だ』と話していましたが、今日は本当に基準となる試合になったと思います。前半はすごく良い形で勢いのあるアタックをして得点できましたけど、後半はスコアを取り切れる場面で取り切れなかったりとか、ペナルティが続いたりしていました。そういう部分は次の試合に向けて修正しないといけないと思いました」
──開幕連勝スタートになりました。今季の目標と意気込みをあらためて聞かせてください。
「今季の目標はディビジョン2昇格です。これはチームとしてもマストです。意気込みとしては、目標をD2昇格とおくからには、D3のレベルに合わせたらダメだと思います。D3の相手を圧倒するぐらいのレベルにならないと、D2に上がれたとしてもすぐ落ちてしまうと思うので、そこまでにチームとしてのレベルを上げていけるようにやっていきたいと思います」
クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島の内山将文ヘッドコーチ(右)、北條耕太バイスキャプテン
クリタウォーターガッシュ昭島
内山将文ヘッドコーチ
「まずは協会関係の皆さま、素晴らしい環境のもとでこういったゲームを開催していただきありがとうございました。本日はマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)さんの大きいフォワードの力強いアタックを前半から受けてしまって、あと私たちのミスが続いてしまって、大きな差が出てしまいました。そのことによりわれわれの戦いたいラグビーができず、残念に思っていますが、後半に修正してくれた部分もあると思いますので、それを次戦に向けて修正して、しっかり次の試合につなげていきたいと思っています」
──大差がついた試合となりましたが、次節のルリーロ福岡戦に向けてどうチームをリードしていくか教えてください。
「ちょっと個々で戦ってしまった部分があるので、チームとして、組織として戦えるように、もう一度組み立てていきたいなと思っています。大きなミスなど目に見えて反省できるところもいっぱいあると思うので、まず大きなところから細かく修正をしていって、もう一度自分たちの戦うラグビーを見つめ直して次戦に向かっていきたいと思っています」
クリタウォーターガッシュ昭島
北條耕太バイスキャプテン
「特に私が思ったのは、個人の大事な場面でのスキルの精度を上げていかないと、こういった点差にいつの間にかなっているゲームになるということです。それを自覚できたし、結果として今回はそういうゲームだったかなと思いました。ポジティブなところでは、SA広島さんはフォワードが強くてセットピースも強いですけど、特にスクラムのところで、前半からウチが有利に立っているような状態だったなと思いました。そこはポジティブなところです。これはクリタの強みでもあるし、スクラムに自信を持っているチームはD3に多いので、強化してきたいと思いました」
──大差がついた試合となりましたが、次節のルリーロ福岡戦に向けてどうチームをリードしていくか教えてください。
「今回はゲームキャプテンをやりましたが、中尾泰星キャプテンがいるので、二人で一緒にやっていきたいと思います。もうちょっとシンプルにゲームを考えて、それぞれの役割をもっとシンプルにしていきたいと思っています。まず個人のスキルのところを今年中に磨いて、来年は精度を上げたゲーム、締まったゲームができるといいなと思います。シンプルにハードワークしてやっていこうと思います」