サッカー関西1部リーグのヴェラーゴ生駒(奈良・生駒市)は24日、都内で記者会見し、G大阪などで活躍した元日本代表FWの播…

サッカー関西1部リーグのヴェラーゴ生駒(奈良・生駒市)は24日、都内で記者会見し、G大阪などで活躍した元日本代表FWの播戸竜二氏(46)が社長に就き、来季から新クラブ「IKOMA FC奈良」(以下生駒)でスタートすることを正式に発表した。近い将来のJリーグ加盟を目指した新体制になる。

兵庫・姫路市生まれの播戸氏は、J1だけで通算325試合87得点の成績を残したストライカー。19年に引退後は、現役時代に立ち上げたマネジメント会社の経営や、Jリーグ特任理事、WEリーグ理事などを歴任していた。

この日、文京区の日本サッカー協会の施設には報道関係者ら約100人が集まり、Jリーグ5部相当の会見としては異例の大規模で開かれた。

登壇した播戸氏は、人口約11万人の街に新たな魂を宿すクラブについて「11万人全員と会い、市民の方々と作り上げていきたい。誇りに思ってもらえる、愛すべきクラブにしたい」と所信表明。新スタジアム建設など課題は多いものの「行政とも話し合い、みんなで進んでいきたい」と意気込んだ。

また、JFLアトレチコ鈴鹿の元日本代表FW三浦知良(58、カズ)の獲得のため、3度の正式交渉を重ねたことも明かした。

今回の新体制には、歯科医院向けのキャッシュレス決済の導入支援などで急成長するSCOグループ(本社・東京都千代田区)がスポンサーとなり、新クラブはグループ内の子会社という位置付けになる。グループの玉井雄介会長(48)がクラブのオーナーに就任して、播戸社長と経営を進めていく。

SCOグループは日本協会と関係も深く、24年から天皇杯の特別協賛に、25年度皇后杯決勝の協賛も務めている。JリーグでもJ2山形の主要株主、スポンサーとしてクラブ経営に携わってきたが、10月に両者で関係解消を発表。社外取締役だった玉井氏は辞任していた。

玉井氏は新たなクラブ経営に向け、複数の候補から生駒を選んだ理由として「比較的、新しい考え方で(クラブを発展させられるかを)体現できるのが生駒で、すてきな街と感じた」と説明した。

滋賀・野洲市出身で今季までG大阪コーチだった高木和道氏(45)が、新監督に就任することも決定。地域リーグの関西1部はJリーグ5部に相当し、アマチュア最高峰JFLの1つ下のカテゴリーになる。今季8チーム中6位だったチームは新クラブの下、最短で28-29年シーズンのJリーグ昇格を目指す。

◆地域リーグ J1、J2、J3、JFLと数え、実質Jリーグ5部に相当する全国9地域のリーグのこと。関西は1、2部各8チームで編成され、来季は4月開幕予定。管轄する関西社会人連盟によると、1部の来季編成はJFLから降格する飛鳥FCを最上位に、今季優勝のアルテリーヴォ和歌山、元代表FW岡崎慎司氏が理事を務めるバサラ兵庫、チェントクオーレ・ハリマ、ラランジャ京都、守山侍2000、IKOMA FC奈良、2部優勝で昇格のおこしやす京都。27年から秋春制移行を目指している。