ダカールラリーに連続34回参戦している日野チームスガワラを参戦させている日野自動車は、12月19日、東京都日野市の本社に…
ダカールラリーに連続34回参戦している日野チームスガワラを参戦させている日野自動車は、12月19日、東京都日野市の本社にて「ダカールラリー2026」の参戦壮行会を開催した。
2026年1月3日からサウジアラビアで開催されるダカールラリーの2026年大会には、プロトタイプトラック・T5クラスに「日野チームスガワラ」として参戦する日野自動車。パリ・ダカール時代の1991年に、日本のトラックメーカーとして初めて参戦を開始し、97年大会ではトラック総合部門で史上初となる1-2-3位を独占するほか、96〜02年、05年、07年、10〜21にはクラス優勝を果たし、25年大会時点で初参戦から数えて34回の連続完走を果たしている。
チーム体制は、総監督の小木曽聡を筆頭に、ドライバーの菅原照仁、ナビゲーターの染宮弘和・望月裕司、メカニックアドバイザーの鈴木誠一、メカニックリーダーの良川幸司。これに加え、全国の販売会社から選抜された田澤正和(西東北日野自動車)、今川博貴(南関東日野自動車)、菊池拓実(広島日野自動車)の3名がメカニックとして参加。さらにマネージャーの門間孝之、サポートカードライバーの蒔田亮子、サポートの安藤瑠美、メカニックの近内舜を加えた計13名で構成。チーム一丸となり、連続35回目の完走を目指す。
参戦車両は、北米向けモデル「日野600シリーズ」をベースとしたオリジナルマシン。2026年仕様では、排気管のアップグレードにより最高出力が25年仕様の816馬力から828馬力に向上。25年大会でトラブルが発生したトランスファーは、デフロック制御用エア回路を独立・高電圧化することで、作動の確実性を強化している。サスペンションについても、苛酷さが増す最新のダカールのコースに合わせてのセッティングをアジャストし、特にリヤ軸の安定性を向上させた。さらに、アクスルを懸架するトルクロッドを強化することで、悪路における耐久性を引き上げている。
車両はすでにサウジアラビアへと渡っており、チームは前哨戦として12月3日に開催されたジェッダラリーに、ダカール本番と同じ体制で参戦。4輪部門9番手でフィニッシュした。

この日の壮行会では、チーム代表兼ドライバーの菅原、総監督代理の脇村誠のほか、選抜メカニックを輩出した各販売会社の代表者が登壇。チームメンバーの紹介や本戦に向けた決意表明、質疑応答が行われ、世界一過酷なモータースポーツへ挑むメンバーたちへ熱い激励が送られた。
菅原は 「今のダカールラリーは、非常に厳しくなっています。世界で一番過酷だと言われているレースですが、本当に毎年過酷さを増していると実感しています。クルマにとっても人にとっても、とにかく過酷です。我々は毎年、100社以上の協賛会社様や、ファンの皆様に応援していただいています。こういった皆様の力が、我々の実力以上の力を引き出してくれると思っていますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします」と、26年大会への抱負を語った。

販売店代表コメント
佐藤恒(西東北日野自動車 取締役)
「田澤君がこの舞台で培う経験、磨かれる高度な技術力は、必ずや帰国後に当社のサービス、そして指導に計り知れない大きな財産として還元されると思っております。あなたの挑戦は、全社員の技術者魂を奮い立たせるものです。過酷な日程のなか、チームの完走と勝利という使命がかかっています。田澤君、この大舞台で持てる力のすべてを出し切り、最高の経験とともに無事に帰還されることを社員一同お待ちしております。夢を目標に、目標を現実に。頑張ってください」
谷川和彦(南関東日野自動車 北部エリアプレジデント)
「今川君、以前から希望してきて念願叶ったダカールチャレンジチームへの参加、本当におめでとう。今まで、そしてこれから今川君が経験することは、日野のメカニックとしてとても貴重で、宝物のような経験になるはずです。目標に向かって、チームのために、仲間のために、そして日本から応援している南関東の全社員の仲間のために、参加できることへの感謝を忘れずに、明るく楽しんで力を存分に発揮してきてほしいと思います。」
上野慎一郎(広島日野自動車 代表取締役社長)
「菊池君は、きっと過酷なダカールラリーの現場でも物怖じすることなく、環境に適応しながら頑張ってくれるものと思っております。私も来月応援に駆けつけようと思っておりますが、調べる限り、環境の過酷さ、日本とは違う気候や食生活、そして整備する環境も全く違うなかで行わなければいけないと思います。チームスガワラをしっかりとサポートし、完走に導いてくれることを期待しています。健康にはしっかり注意して、頑張ってください。」
ダカールラリーの2026年大会は、1月3日にサウジアラビア西部のヤンブーをスタート。総距離7925kmを走行したのち、17日にスタート地点のヤンブーでフィニッシュするルートとなっている。