<悼む>「ジャンボ」の愛称で親しまれ、日本で最多の通算112勝(うちツアー94勝)を挙げたプロゴルファーの尾崎将司(おざ…

<悼む>

「ジャンボ」の愛称で親しまれ、日本で最多の通算112勝(うちツアー94勝)を挙げたプロゴルファーの尾崎将司(おざき・まさし)さんが23日、S状結腸がんのため死去した。24日に親族が発表した。78歳だった。尾崎さんは国内ゴルフツアーなどで、輝かしい成績を残したが、最近は指導者としても実績を挙げていた。

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1992年、45歳だった尾崎さんは年間6勝を挙げた。圧倒的に強かった。コブラが鎌首をもたげるような独特のガッツポーズ「コブラポーズ」を連発。実弟の直道は「V9時代の巨人と同じ。相手にならない」と、いつも完敗を認めていた。

コースでは花の部分しか見えない。では、根っこの部分はどうなのか。興味があり、当時「習志野のホワイトハウス」と呼ばれた練習場付きの豪邸をアポなしで訪ねてみた。尾崎さんは「なんだよ」と言いながら「まあ入れよ」と招き入れてくれた。ベントグリーンでパットのタッチを合わせたり、30ヤード前後のアプローチを繰り返す。ひたすら基本のチェックでフィーリングを維持していた。絶対の自信を持つサンドウエッジ。抜群のショートゲームはこうして生まれたのだなと納得した。軍団の研修生に聞くと、優勝して帰宅した夜も同じことをやるという。夜中にヒントをひらめいたら、クラブを握って寝ることもあると聞いた。

自宅での練習中「ちょっと付き合えや」となり、近所のホームセンターへ同行した。ふだんは運転を仲間に任せて黒塗りのロールスロイスでコースに乗りつけるが、国産大衆車を自分で運転。材木やゴムチューブを購入すると、手首を強化する器具を自作し「何でもアイデアだな」とつぶやいた。発明家としても知られていた。

8年ほど前だったか、千葉県内で早朝6時ごろに車を運転中、反対車線の歩道で愛犬と走る尾崎さんをたまたま見かけた。首にタオルを巻き、トレーニングを兼ねている様子。70歳でも相変わらず見えないところで鍛錬を怠らないのだなと思うと、うれしくなったことを覚えている。【91~93年ゴルフ担当=織田健途】