男子プロゴルファーの尾崎将司(おざき・まさし)が23日午後3時21分、大腸がん(S状結腸がん)のため死去した。78歳だ…
男子プロゴルファーの尾崎将司(おざき・まさし)が23日午後3時21分、大腸がん(S状結腸がん)のため死去した。78歳だった。長男の尾崎智春氏が24日、発表した。葬儀は故人の遺志により近親者のみの家族葬で執り行う。後日お別れの会を開催する予定。
1947年1月24日、徳島県生まれ。同県立海南高(現・海部高)のエース投手として、64年の「選抜高校野球大会」で優勝した。翌年プロ野球の西鉄ライオンズに入団したが、67年に退団。21歳で本格的にゴルフの道に進んだ。
1970年に日本プロゴルフ協会のプロテストに合格し、71年の「日本プロ」で初優勝を挙げた。現在のツアー制が施行された73年に5勝をマークし、日本ツアーの初代賞金王に輝いた。98年までに史上最多の12回、その座に就いた。
180cmを超える長身と豪快なドライバーショットから、1970年代に米国から輸入されたジャンボジェット機に由来する“ジャンボ”のニックネームで日本ゴルフ界の象徴として活躍した。青木功、中嶋常幸とともにAONとして男子ゴルフの一時代を築き、“ジェット”こと弟の二男・健夫、三男の“ジョー”直道とともに三兄弟で人気を博した。
日本ツアーでの94勝をはじめ、生涯で手にしたタイトルは113勝に上る。50歳以上の選手が参加するシニアツアーには出場しないまま、2002年「全日空オープン」では55歳7カ月29日のレギュラーツアー最年長優勝記録を樹立した。10年には世界ゴルフ殿堂入りを果たした。
2019年の「ダンロップフェニックス」(途中棄権)を最後に戦列を離れ、新型コロナ禍以降は自身のアカデミーで後人の育成にいっそう力を注いだ。「全米女子オープン」2勝の笹生優花をはじめ、今年4月の「シェブロン選手権」で女子メジャーを制した西郷真央、日本女子ツアーで年間女王に輝いた佐久間朱莉、米下部エプソンツアーから来季の昇格を決めた原英莉花らを輩出した。
昨年1月のセレクション(選抜テスト)を視察したのを最後に、公の場に姿を見せていなかった。関係者によると、近年はステージ4のS状結腸がんと闘病しながら、弟子たちの活躍に目を細めてエールを送っていた。