カラバオカップ準々決勝が現地時間12月23日、エミレーツ・スタジアムで行われ、アーセナルがクリスタル・パレスとPK戦の末…

カラバオカップ準々決勝が現地時間12月23日、エミレーツ・スタジアムで行われ、アーセナルがクリスタル・パレスとPK戦の末に勝利。90分を1-1で終えた試合は、PK戦8-7という緊迫の展開でアーセナルが制し、準決勝進出を決めた。

スコアレスの前半、両チーム譲らず
アーセナルは大幅なターンオーバーを実施。ウーデゴール、サカ、ライスといった主力をベンチスタート。一方のクリスタル・パレスもエンケティア、デベニー、カンボ、クラインをベンチスタートとし、後半から投入する布陣。前半はアーセナルがボールを支配。ボール保持率69%と圧倒するも、クリスタル・パレスGKベニテスの好セーブに阻まれ続ける展開。

クリスタル・パレスも堅い守備でゴール前を固め、アーセナルにシュートを打たせない戦術を展開。両チームとも決定機を作れず、0-0のまま前半終了。

主力投入で攻勢強めるアーセナル
後半14分、アーセナルはマルティネリに代えてトロサールを投入。22分にはエゼ、マドゥエケを下げてウーデゴール、サカを投入し、本気のメンバーで勝負。主力の投入で攻撃が活性化。シュート数はアーセナル17本、クリスタル・パレス6本と圧倒的な差。しかし、先に動いたのはクリスタル・パレス。30分にリチャーズが負傷交代するアクシデントがありながらも、守備の集中力を切らさず。

80分のオウンゴールでアーセナル先制
試合が動いたのは80分。アーセナルの攻撃からティンバーのシュートがクリスタル・パレスDFラクロワに当たり、オウンゴールでアーセナルが先制。ようやく均衡を破ったアーセナル。

しかし試合はまだ終わらない。

アディショナルタイムの劇的同点弾
90+5分、後半アディショナルタイムの土壇場。クリスタル・パレスの左サイドからのFKに、DFマーク・グエイが頭で合わせてゴールネットを揺らす。1-1の同点。
スタジアムに衝撃が走る。先制からわずか10分余りでの失点。アーセナルは逃げ切れず、PK戦へ持ち込まれる形に。8人目まで続くPK戦、ケパが決める。
延長戦のないカラバオカップ。1-1のまま試合はPK戦へ突入。両チームとも5人全員が成功。6人目、7人目も両チーム決め、決着はつかず。

勝負を決めたのは8人目。アーセナルのサリバが成功した後、クリスタル・パレスのラクロワをGKケパ・アリサバラガが止めた。

アーセナルがPK戦8-7で勝利し、準決勝進出を決めた。

試合統計が示す攻防
ボール保持率はアーセナル69%、クリスタル・パレス31%。シュート数はアーセナル17本、クリスタル・パレス6本と圧倒。しかし枠内シュートはアーセナル7本、クリスタル・パレス2本。GKベニテスの好守が光り、アーセナルの決定力不足も露呈した試合に。

観客数の記録はないものの、エミレーツ・スタジアムで劇的なPK戦を見守ったサポーターは、最後まで緊張の連続。

クリスタル・パレスの粘り
クリスタル・パレスは後半開始から4選手を投入する大胆な策。エンケティア、デベニー、カンボ、クラインが新たに加わり、攻撃の活性化を図る。75分にはリチャーズが負傷交代するアクシデント。しかし90+5分のグエイの同点ゴールで、粘り強さを見せた。

PK戦でも8人目まで全員成功。最後まで諦めない姿勢は、アーセナルを苦しめた。

準決勝はチェルシーと激突
アーセナルの準決勝の相手はチェルシー。ロンドンダービーという注目のカード。第1戦は来年1月中旬にスタンフォード・ブリッジで、第2戦は2月上旬に開催予定。2戦合計で勝敗を決する準決勝は、アーセナルにとってタイトル獲得への重要な一戦。

アーセナルが最後にカラバオカップを制したのは1993年。32年ぶりの栄冠を目指す戦いが、年明けから始まる。

PK戦までもつれた接戦。決定力不足という課題は残ったが、最後まで勝ちきる粘り強さを見せたアーセナル。チェルシーとの準決勝が楽しみだ。