米女子ツアー参戦1年目にメジャー「AIG女子オープン(全英女子)」を制した山下美夢有の「海外メジャー優勝祝賀会」が23日…

米女子ツアー参戦1年目にメジャー「AIG女子オープン(全英女子)」を制した山下美夢有の「海外メジャー優勝祝賀会」が23日、所属先の花王により都内で開催された。山下は報道陣のリクエストに応じる形で、来季の目標として色紙に「1勝」としたためた。メジャーを1つ制したなら、残りの4大会を…とは言わない。「やっぱりまずは1勝して」。日本勢最上位の世界ランキング4位となった今では謙虚すぎるとも思えるが、関西人らしくナニワのお笑いの大御所・西川きよしのモットーのように“小さなことからコツコツと”新しいシーズンを戦っていく。

8月の「全英女子」と11月の「メイバンク選手権」で2勝したものの、シーズンを通じてうまく戦えたという実感はない。「前半戦で調子が上がらなかった」ことや「移動の大変さ」を体験したことで「コンディションをしっかり整えて、今年よくなかった後半戦でも結果を残したい」と言う。そこで2年目に浮上してくるのが、スケジューリングの問題だ。
山下は今季、米女子ツアーで5メジャーを含む25試合と日本ツアーで8月「北海道meijiカップ」の計26試合を戦った。コロナ禍の2020年を除き、プロ転向後初めて出場30試合を切った。来季はさらに試合数を絞る可能性が高い。米開幕戦「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(1月29日開幕/フロリダ州レイクノナGC)が初戦になるが、その後2週空いて2月19日から始まる「ホンダLPGAタイランド」(タイ)、「HSBC女子世界選手権」(シンガポール)、「ブルーベイLPGA」(中国)のアジアシリーズ3試合は「今考えています」と未定。無我夢中で駆け抜けた1年目と違い、体と相談しながら日程を組むつもりだ。

祝賀会では「花王」への感謝を何度も口にした。紫外線の強い米国で戦う上で、同社の日焼け止め「ビオレUV」をフル活用しており「コ・ジンヨンさんとかイエリミ・ノさんから“私も使ってる”と言われました」と笑みを浮かべた。何よりうれしいのは調子が上がらないときに、同社社員たちから何度も激励の寄せ書きをもらったり、現地で自分の名前を書いたプレートを手に応援してくれること。この日の晴れ着も同社があつらえてくれた。「滅多に着ないから、違和感ありますかね」と照れながら、24歳の女性らしい喜びを隠せなかった。

お祝い事、スポンサー関連の仕事はこの日で終了。年末年始をはさみ、再びゴルフ一色の日々が始まる。「トレーニングは体幹を鍛えることを一番に考えて。それとシーズン終盤にできなかったスイングの見直しをしっかりやりたい」。メジャー覇者になっても“コツコツ”積み重ねるスタイルは変わらない。(編集部・加藤裕一)