短距離路線の総決算として位置づけられる阪神C。暮れの阪神芝1400mというタフな舞台で行われるGII戦には、スプリン…

 短距離路線の総決算として位置づけられる阪神C。暮れの阪神芝1400mというタフな舞台で行われるGII戦には、スプリントGI戦線で活躍した実績馬や、マイル路線からの参戦馬、そして勢いのある若駒などが集結する。今年はGI好走馬が複数エントリーしておりハイレベルな争いが予想されるが、データからは波乱の芽も十分に含まれていることが読み取れる。

1.前走GI組の信頼度が非常に高く中心視妥当

 過去のデータを見ると、前走がGIだった馬の好走率が非常に高いことがわかる。着度数は[5-6-5-37]となっており、複勝率は30.2%を記録している。これに比べてGIII組は複勝率10%、オープン特別組は6.8%と低迷しており、格の違いがはっきりと成績に表れていると言えるだろう。特に短距離界のトップレベルで戦ってきた馬たちが、相手関係が楽になるここで実力を発揮するケースが目立つ。馬券の中心はまずこの組から検討するのがセオリーとなる。

2.前走4コーナー2番手の馬に注目

 展開面で注目したいのが、前走で4コーナーを「2番手」で通過した馬の激走だ。過去10回の集計では[4-1-0-9]という成績を残しており、勝率28.6%、複勝率35.7%というハイアベレージを叩き出している。特筆すべきはその回収率の高さで、単勝回収率は492%、複勝回収率は131%にも上る。逃げ馬を見る形でスムーズに運べる先行力のある馬が、人気薄であっても穴をあけるパターンがデータから強く示唆されている。

3.3歳馬の好走率と回収率が優秀

 年齢別の成績において、3歳馬が古馬を相手に健闘している点も見逃せない。その成績は[3-3-3-18]で、複勝率は33.3%と全世代の中でトップの数値を誇る。さらに複勝回収率も107%と100%を超えており、ベテラン勢に比べて成長力や勢いを生かして好走するケースが多い。実績のある古馬に人気が集まりがちなレースだが、配当妙味を求めるならば、これからの飛躍が期待される3歳世代を積極的に狙っていくべきだろう。

 ナムラクレアは6歳牝馬ながら、前走のスプリンターズSで3着とGI戦線で崩れない強さを見せている。昨年の当レース覇者でもあり、能力上位は明白。前走GI組の複勝率30.2%という強いデータにも該当する。今年は阪神での開催だが、これまでの重賞での実績から問題はないだろう。連覇も十分ありそうだ。