現地入りした井上は「サウジは思っていたよりリラックスできた」と語った(C)Getty Images サウジアラビア・リヤ…

現地入りした井上は「サウジは思っていたよりリラックスできた」と語った(C)Getty Images
サウジアラビア・リヤドで行われるボクシング興行「THE RING V:NIGHT OF THE SAMURAI(ナイト・オブ・ザ・サムライ)」がいよいよ目前となった。現地時間12月27日の大会では、メインイベントの世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチで王者・井上尚弥(大橋)にアラン・デビッド・ピカソ(メキシコ)が挑む。
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各国識者などによる下馬評はチャンピオンの優位と見る声で埋め尽くされている中、25歳の挑戦者は番狂わせを起こすべく、強い覚悟とともにリングに上る。母国メディアがピカソの足跡を振り返りながら、大一番となる試合を展望している。
メキシコのニュースサイト『EL HERALDO DE MEXICO』が井上とのタイトル戦についての特集記事を22日に配信。同メディアは、「メキシコ人ボクサーはあらゆる予想を覆し、無敗を続けるスーパーバンタム級統一王者ナオヤ・イノウエのタイトル奪取を目指す」と綴っている。
スーパーバンタム級の頂点に君臨する“モンスター”との一戦を、ピカソにとっての「ボクシング人生最大の挑戦」と強調。その上で同メディアは、井上と同じく、ピカソも32勝1分けという無敗の戦績を積み上げてきたプロキャリアにフォーカスする。「2000年にメキシコシティで生まれたピカソは、幼少期からボクシングが日常の一部である環境で育った。早くから才能を示したものの、急速な成長は求められず、じっくりとした育成がなされた」などと指摘。
さらに、「経験と競技成熟を最優先する、計画的かつ着実な成長を重視した道を歩んできた」とピカソのこれまでを振り返っている。同メディアは、井上を「無敗のチャンピオンであり、現代ボクシング界を代表する存在の1人」と評しており、この試合に辿り着いたピカソを、「ピカソはスーパーバンタム級で目立つフィジカルを確立し、時間をかけて挑戦者としての地位を築いた」と主張する。
その上で、34試合目で初のビッグタイトル獲得に挑むチャレンジャーに対し、「この試合は、地道に積み重ねてきたキャリアの正当性を証明する場となる。結果がどうであれ、このリングに上がるまでに必要なことはすべてやり遂げたはずだ」とエールを送っている。
また、今回の興業がメイン以外でも「日本対メキシコ」のカードが組まれていることで、同メディアは、「この一夜は、エリート舞台におけるメキシコボクシングの現状を試すものとなるだろう」との見解も示している。その中で、大会の最後を締めるリングに立つピカソが波乱を起こすことが出来るか。まさに、メキシコ国内で高まり続ける期待を背負い、最強の日本人王者が相手となるビッグファイトに臨む。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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