◆プロボクシング「THE RING V:ナイト・オブ・ザ・サムライ」 ▽WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタ…
◆プロボクシング「THE RING V:ナイト・オブ・ザ・サムライ」 ▽WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 4団体統一王者・井上尚弥―アラン・ピカソ(12月27日 サウジアラビア・リヤド、ムハマド・アブド・アリーナ)
【リヤド(サウジアラビア)23日=勝田成紀】世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が、27日のWBC同級2位アラン・ピカソ(25)=メキシコ=との防衛戦に向けた到着イベント「グランドアライバル」に登場。サウジアラビアのリングに初登場するモンスターは、現地メディアからも質問攻めに遭い「期待を超えていく」と最高のパフォーマンスを披露することを誓った。
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参戦する日本人「5人のサムライ」の大トリとして登場した尚弥は、鳥居が設置されたゲートから登場。白のトレーニングウェアでレッドカーペットを歩き、シャドーボクシングを披露した。桜の造花に囲まれた和風の会場で、5社以上のサウジアラビア・メディアから日本のモンスターに質問が殺到。「サウジで日本人選手が勢ぞろいできて光栄。壮大なイベントに参加できることにワクワクしている」と笑顔で答えた。
さらにサウジの印象を問う質問も相次ぎ、「とても過ごしやすい。サウジの興行はボクシング本来の『誰が強いんだ』ということを示したい強い気持ちを感じる」と丁寧に回答。一方で「今回はどのくらいのパンチのスコアを目指しますか?」との質問には「ボクシング用語とちょっと違うから、答えにくい」と苦笑いを浮かべ、「日本より対応が丁寧でしょ」と日本の報道陣を向いてジョークを飛ばす余裕も見られた。
米国で最も権威のある専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)で3位につける尚弥は、昨年5月以来のPFP1位の奪還も宣言した。先日、PFP1位に君臨する、史上初めて3階級での4団体王座統一を果たした世界5階級制覇王者・テレンス・クロフォード(38)=米国=が引退を表明。次回発表のランキングではランクから外れる見通しだ。「引退というのは誰しもがいつか来ること。PFP1位になるのにふさわしい試合をしたい」と、「世界最強ボクサー」の称号を取り戻すことに意欲を示した。
来年5月の次戦では、東京ドームで前WBC&IBF世界バンタム級王者・中谷潤人(27)=M・T=との夢の対決が計画されている。「周りの方はそこを気にしているが、今は27日の試合に集中したい。それが終わってから、存分に5月に向けて発信していく」と強調。ピカソ戦へ「毎回だが、期待を超えていくことを目指している」と話し、日本のファンへ「サウジのリングに上がる姿を目に焼き付けてほしい」と会心の勝利を誓った。