元日本代表MFで、長年Jリーグを彩ってきた柏木陽介が21日、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で引退試合を行なった。試合…

元日本代表MFで、長年Jリーグを彩ってきた柏木陽介が21日、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で引退試合を行なった。試合後には自身の公式インスタグラム(@yosuke_kashiwagi)を更新し、仲間やファン、家族への感謝をあふれる言葉でつづっている。

柏木は「無事に引退試合を終えることができました」と書き出し、15557人の観客が集まった一日を振り返った。雨に包まれたピッチについては「多分もうピッチでは照らさなくていいよとお疲れ様という雨やったと変換しておきます」と前向きに表現。真剣勝負を掲げた試合では、集結した仲間たちが全力でプレーし、笑顔と熱量に満ちた時間が流れたという。浦和レッズやFC岐阜などで司令塔として活躍し、技術と創造性で観客を魅了してきた柏木らしい言葉選びが、投稿全体から伝わってくる。

柏木陽介の引退試合が特別だった理由は、勝敗や演出以上に「感謝」を中心に据えた時間だった点にある。雨さえも意味づけし、仲間や観客の笑顔を最優先に考える姿勢は、彼がピッチ内外で築いてきた人間関係そのものだろう。司令塔として試合を操ってきた男は、最後の舞台でも空気と感情を丁寧にコントロールしてみせた。岐阜の地で生まれたこの景色は、柏木陽介が残した最大のレガシーの一つと言えるはずだ。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部