川崎フロンターレで長年キャプテンを務め、クラブの象徴的存在として知られる中村憲剛が、自身の公式インスタグラム(@keng…

川崎フロンターレで長年キャプテンを務め、クラブの象徴的存在として知られる中村憲剛が、自身の公式インスタグラム(@kengo19801031)を更新した。投稿では、今季限りで現役引退を決断した車屋紳太郎への想いを、あまりにも率直で深い言葉でつづっている。

中村は冒頭で「まさか自分の次にこのチームで引退をする選手が紳太郎だとは思いませんでした」と記し、同じく引退を経験した立場だからこそ分かる葛藤と本音を包み隠さず明かした。2014年、大学生ながら強化指定選手としてデビューした日の記憶など、全てを高いレベルでこなす稀有な存在だったことを具体的回想。

タイトル獲得の裏側には、車屋がチームのためにフル回転してきた事実があったと語っている。単なる称賛ではなく、要求し続けた理由まで含めて描写されていて、真の信頼関係が感じ取れる。

この投稿が特別なのは、功績や結果の羅列ではなく、「決断」に寄り添う視点で語られている点にある。車屋の言葉に、中村自身が引退を決めた日の記憶を重ねる場面は、現役生活の重みと覚悟を強く感じさせる。ワンクラブマンとして戦い抜いた車屋紳太郎と、その背中を誰よりも近くで見続けた中村憲剛。フロンターレというクラブが大切にしてきた価値観が、この長文メッセージには凝縮されている。読む者の胸に残るのは、別れの寂しさ以上に、深い感謝と敬意である。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部