大人に交じって、車いすバスケットボールの選手として活躍している広島県三原市立第五中学3年の森岡煌陽(こうや)さん(15…

 大人に交じって、車いすバスケットボールの選手として活躍している広島県三原市立第五中学3年の森岡煌陽(こうや)さん(15)。

 パラスポーツチーム「広島Rise」に所属。ボールを追う車いす同士が高速ですれ違い、その場で回転して向きを変え、時に激しくぶつかり合う。迫力のある車いすバスケは障害者スポーツの中でも「花形」といわれる。「タイヤの焦げたようなにおいにわくわくする。ボールを追いかける瞬間が楽しい」

 障害の程度によって選手には「持ち点」が割り振られ、チーム5人の合計を14.0点以内に収める必要がある。最も障害が重い人は1.0点、健常者の持ち点は4.5点。「健常者も一緒にプレーできるのが、車いすバスケの面白いところ」と言う。

 3歳の頃、横断性脊髄(せきずい)炎という病気で車いす生活を送ることになった。自身の足で走ったり歩いたりした記憶はないが、物心ついた頃には3人の姉について回り、一緒にボール遊びをしていた。母の麗子さんは「負けず嫌いで、車いすで姉や友達と遊び回っていた」と振り返る。中学校でもバスケ部に所属し、他の部員と練習をしてきた。

 幼い頃から車いすテニスや車いすソフトボールなど、多くのパラスポーツに触れてきた。車いすバスケに絞って活動するようになったのは中学1年の頃。みるみる上達し、世界大会に出場するまでになった。

 最年少メンバーとして参加した6月の世界選手権。チームは決勝トーナメントに進んだが、8位で大会を終えた。「やっぱり世界のレベルは高かった。すごく良い経験になりました」

 関東の車いすバスケチームでプレーするため、県外の高校に進学するつもりだ。2028年の米ロサンゼルスパラリンピックに出場することが目標だが、別の夢もある。

 「車いすバスケへの注目をもっと高めて、健常者と障害者が一緒にプレーすることが当たり前の世の中にしたい」(武田啓亮)

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 6月にブラジル・サンパウロで開かれた車いすバスケットボール男子U23世界選手権に日本代表として出場した。ポジションは、ゴール下でプレーすることが多いパワーフォワード。座右の銘は「堅忍不抜(けんにんふばつ)」。(武田啓亮)