膝の裏を抑えながら苦悶の表情を浮かべる南野(C)Getty Images ワールドカップまで約6か月となった段階で、日本…

膝の裏を抑えながら苦悶の表情を浮かべる南野(C)Getty Images

 ワールドカップまで約6か月となった段階で、日本代表にとって最悪の事態が起きた。

 現地時間12月21日に行われたフランスカップのオセール戦(2-1)で、モナコに所属する南野拓実が左膝を負傷。担架で運ばれた日本代表FWについて、クラブは検査の結果、左膝前十字靭帯断裂の重傷であると発表した。全治期間は明らかにされていないものの、北中米ワールドカップへの出場は絶望的な状況となった。

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 前半の出来事だった。36分、左膝の裏側を抑えながら苦悶の表情を浮かべた南野は力なくグラウンド上に倒れ込んだ。仏紙『L’Équipe』によれば、「プレー中に足が地面に引っかかった」という30歳は、すぐさま担架で運び出された。

 ダメージの大きさは指揮官の悲痛な言葉にも滲み出る。試合後に地元紙『Nice Matin』の取材に応じたセバスチャン・ポコニョーリ監督は、「残念なのはタキ(南野の愛称)の怪我だ。精密検査を見てみないことには分からないが、我々が行った最初の検査では良い兆候は見られなかった」と吐露。その翌日となる現地時間12月22日にモナコは公式に左膝前十字靭帯の断裂という無念の一報を公表した。

 モナコはもちろん、来る北中米ワールドカップでベスト8以上を目標の掲げる日本にとっても、南野の離脱で受ける影響は計り知れない。日本代表として73試合に出場し、26得点。森保ジャパンでも不可欠な存在となっている30歳が出場できないとなれば、プランの変更を余儀なくされる。

 残酷な形でエースに生じた日本のアクシデントは、すぐさま隣国でも広まった。韓国メディア『OSEN』は、「南野の怪我によって日本の計算が狂った」と報道。「前十字靭帯断裂の可能性がある」と語ったポコニョーリ監督のコメントを伝えた上で「ワールドカップ本番まで6か月しか残っていない時点での重い負傷は、南野にとって事実上大会出場を遮る決定打になる」と論じた。

 また、「『ワールドカップ優勝』を目標に掲げる日本の立場で見れば、これは最悪のシナリオだ」と強調した『OSEN』は、「南野は森保一監督からキャプテンの腕章を渡されるほど絶対的な信頼を受けており、日本にとって欠かせない核だ」と断言。改めてエースの離脱で生じる危機に触れている。

「日本は欧州組の選手層が厚く、控えの戦力も豊富だ。しかし、南野の代役を完全にこなせる選手はいないという評価が圧倒的だ」

 開幕が刻一刻と迫っている北中米ワールドカップを前に、欠かせない中心選手に負傷者が出てしまった森保ジャパン。主軸の長期離脱が避けられない中、日本代表は現実と向き合いながら、新たな道を模索することになる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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